2017年 第一回定例会一般質問 3、マイナンバーカードについて

今回の質問からも、国の制度でありながら、結局は地方自治体の一般財源からの持ち出しが大変多くなっていることが明らかです。

そして、自治体はまだ普及していないにも関わらず、マイナンバーカード中心の取り扱いに切り替えようとしています。区民カードを使っての自動交付機は、9月末日をもって撤去されます。

区民への「おもてなし」のサービスは、どうしたのでしょう。

3、マイナンバーカードについて

2015年10月に番号法が施行され、2016年1月よりマイナンバーカードの交付が始まりました。

度重なるJ-LISのシステムエラーにより、カード交付作業が遅れるという問題がおこり、混乱を生じさせています。
この制度には、集めた個人情報の漏えいや不正利用、「なりすまし」による財産的被害、国家による国民監視、プライバシー侵害などの危険性がある と言われています。
勤務先に提出した通知カードの紛失、収集した番号を記載した書類の紛失、番号の目的外利用、等が発生しています。
2016年8月、熊谷市では家族に成りすまして搾取したマイナンバーカードを利用して、パスポートの発行をするという事件がありました。パスポートについては「悪いことをした時に親族の名を語るために入手した」と供述しており、明らかに悪意のもとで「なりすまし」が行われています。

NHK特集「パナマ文書」では、パスポートがあれば法人が設立できるカラクリを取り上げていました。自分が知らないところで、「なりすまし」によりパスポートが悪用され、いつの間にか犯罪に巻き込まれる可能性や、その犯罪の多種多様性、危険性を示していました。
個人番号による個人情報収集により、今後どんな犯罪が発生するやもしれず、国民が番号利用や管理に不安を抱き、提供をためらうのも当然のことと思います。
番号法では、個人番号の記入を義務づける規定はなく、国は番号の記載がなくても、手続を行うことを公表しています。
また、マイナンバーカードが導入されたことにより、申請や受け取り、管理など、板橋区が行う事務の部分においても、作業時間や経費など、随分しわ寄せがあると見受けます。

そこでお伺いいたします。

1)板橋区では、通知カードの戻りは、どのくらいあるのでしょうか。 ⇒ 40856件(1月末)

  また、受け取り拒否はどのくらいあるのか、お答えください。  ⇒ 186件

 

2)交付申請数と、交付済み数は、それぞれ何枚で、何パーセントでしょうか。

交付申請数 ⇒ 72159  / 交付済み数 51794枚 / 9、29% (1月末)

  あとから申請を取り下げた枚数は何枚でしょうか。 ⇒3211件

  また申請と発行枚数の差は、どのような理由からでしょうか。 ⇒区外転出、死亡など

 

3)そのまま交付を受けずに、区に保管されている枚数は、何枚でしょうか。 13345枚 (1月末)
 保管されているカードについては、お知らせはどのようにし、また費用はいくらかかっているのでしょうか。お答えください。  ⇒ 19550件に勧奨通知 140万7600円 / H29年度3ヶ月ごとに勧奨通知送る
4)板橋区ではシステム改修費、カード発行経費、交付関係の事務経費の合計は、2014年度から2016年度で、どのくらいの経費になるのか お答えください。また、その内、国庫補助はいくらでしょうか。 一般財源は、いくらでしょうか。

 ⇒ 18億6959万円 ( 国庫補助金 4億8458万円、一般財源 13億8501万円)

5)次は、住民票等コンビニ交付について、です。
 まず、コンビニへの手数料は1通当たり、いくらでしょうか。 ⇒123円/1通
 コンビニ交付するためのシステム構築費用、国庫補助金はそれぞれ いくらでしょうか。

⇒ システム構築費用 H27年 7906万円 / 国庫補助金 なし
 その他に、システム機器賃借料はいくらでしょうか。J-LISへの年間負担金、年間経費は、それぞれ どのくらいになるのでしょうか。お答え願います。

 ⇒システム機器賃借料(補修も含む)2819万円/ 年間負担金 500万円

6)自動交付機について お伺いいたします。

2015年度の自動交付機のリース料や保守運営など関係費用、証明書発行 交付枚数、自動交付機 手数料収入、区民カード発行枚数をお答えください。
 リース料など 1億228万円 / 交付枚数 29万1769枚 / 手数料収入 5835万5800円

  区民カード発行枚数(2016年3月末 24万枚)

7)自動交付機を、2017年9月で撤去すると聞いています。

 しかし、マイナンバーカードは、まだ普及しているとは言えず、区民カードの方が、発行枚数も多い中で、交付機を撤去するのは、乱暴ではないでしょうか。「おもてなし」を第一とする板橋区の区民サービスとして、自動交付機の存続を求めます。是非お考え直し頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

8)自治体が住民税の税額通知書に個人番号を記載し、企業へ送付していると聞きました。
 その中で問題なのは、個人番号を提示しなかった従業員の分や、個人番号を収集していない企業の従業員の分も、自治体が住基ネットで調べて、記載することです。
個人番号を送りつけられる企業も、管理の負担が増すことになります。
 あえて従業員の個人番号を収集しない企業もあるのに、管理体制の確認もしないまま番号を送りつければ、漏えいや流出の危険が増すことに なりかねません。
 また、普通郵便での送付の問題も指摘されています。
 郵便受けによっては、郵便物の抜き取りが可能なものも多く、私自身 誤配も体験しています。
 板橋区の見解はどうでしょうか。

⇒板橋区では2017年度は暫定的に個人番号書かない

 

※今回の質問は、以前から番号制に深く取り組んでいる伊藤 佐倉市議の了承を得て、自治体の中で押さえるべき数字などを参考にしました。

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