2021年度決算討論

本日の、決算の討論です。以下
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通告に従い 社会民主党が
報告第一号 令和三年度東京都板橋区一般会計歳入歳出決算
  第二号  同 東京都板橋区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
  第三号  同 東京都板橋区介護保険事業特別会計歳入歳出決算
  第四号  同 東京都板橋区後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算
認定に、賛成の立場から
  第五号  同 東京都板橋区東武東上線連続立体化事業特別会計歳入歳出決算 には、認定に反対の立場から、討論を行います。
 2021年は、新型コロナウイルスのパンデミックがなかなか収まらず、トンネルの出口の光が見えない中で、誰もが もがきながら過ごした1年でした。
 そんな中でも、東京2020オリンピック・パラリンピックは1年遅れで強行されました。
 板橋区の教育委員会は、早い段階で区立小・中学生のオリパラ観戦中止を決定し、多くの区民の皆さんが安堵しました。たいへんな英断だったと、改めて感謝致します。
 そのような中で、コロナバブルと言われる人が生まれる一方で、感染者も広がり、多くの方が、不安と厳しい生活を一日一日乗り越えてきました。
 親の仕送りもままならず、自分のアルバイトもままならず、授業料や生活費が不足し、大学を諦めたり、夢を諦めざるをえない若者もいました。
 子どもの貧困は、子どもだけが貧困なのではなく、親も困窮しています。経済面だけが困窮しているわけではありません。
 また、コロナ禍の中で、家族間の関係が悪化し、家出をする子どもや若者も増えました。
 ぎりぎりのところで非課税世帯にならず、支援が受けられなかった方が、
「やっと非課税になりました、これで支援が受けられます」 と報告してくれた あの時の複雑な思いは、今も忘れられません。
板橋区内でも、格差はますます広がっています。
 地方自治法 第1条の2 第1項には、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。」 と規定しています。
 自治体は民間とは違います。困窮支援は決して損益などではなく、「住民福祉のさらなる増進」こそが、地方公共団体としての役割と、改めて肝に銘じて頂きたいと思います。
 また、自己責任という「新自由主義」がはびこり、社会的弱者、特に子どもや若者、女性はそれまで抱えていた問題が更に深まり、虐待やDVも増え、自殺も増え、問題の根深さが指摘されています。
 今まで見えていなかった人権問題が可視化され、人権の大切さを改めて痛感した年でもあります。
 さらに、今回の決算の資料要求で、新型コロナワクチンの副反応として82人の方が厚労省に報告を上げていることがわかりました。これは氷山の一角です。
 またPMDAなど健康被害の申告をしている方が5人、申告をしたくてもできていない方もいる可能性があります。
国が決めたこととはいえ、ワクチンの自治事務は板橋区です。辛い思いをしているのは、板橋区民です。接種後の症状から仕事が出来なくなったり、日常生活に支障をきたすなどしている方々に寄り添い、様々な角度からの支援を しっかりとお願いいたします。
 また、コロナに罹患し、その後遺症で苦しんでいる方もいらっしゃいます。その方々への支援も お願いいたします。
 さて、2021年度の板橋区の財政状況を見ると、
一般会計では、歳入総額は2622億3688万1775円、
歳出総額は2495億0456万9987円で、
前年度と比較して、歳入が343億2800万円の減、歳出が347億7400万円の減となっており、歳入歳出差引額は127億3200万円で、前年度と比較して31億4700万円、32.8%の増となりました。
 その間、板橋区は10度にわたる、さまざまな補正予算を実施してきました。
感謝を致します。
 年度をまたいでの新型コロナウイルス・パンデミックという、今までに体験したことがない、先行きの見えない中での財政の舵取りは、様々なご苦労、ご尽力があったことと思います。
 そのことも鑑み、今回の2021年度決算に対して、報告第5号を除いては、認定に賛成を致します。
 しかし、全体としては賛成致しますが、以下の4点に対しては、意見を申し上げたいと思います。
1点目です。
 2021年度の施策の中で、私が一番驚いたのが、デートDVの事業に象徴される板橋区のジェンダーへの認識の低さです。
 アクティブプラン2025に示されているにも関わらず、予算がついていませんでした。
 例えば、お隣の豊島区では、1年間で全ての中学校でデートDVの講習をしています。
 それに対し、板橋区は、年間5校を目標とし、2021年から5年かけて やっと
全区立中学校で実施という成果指標の目標を立て、さらには、当てにしていた東京弁護士会の「無償」の出前講座が、実施校が複数のため有償となり、予算措置がないため、男女社会参画課の職員で行わざるを得ないという状態です。
 内閣府の男女共同参画局が発行している「男女間における暴力に関する調査報告書」でも、交際相手から暴力被害を受けたことがある人の割合は、20代、30代の女性が25%以上と、4人に1人という高い割合です。
 DVの被害を減らすだけでなく、加害者にしない、させないという取り組みの大切さを、区は改めて認識すべきです。
 しかも、コロナ禍でのDVの増加という問題を 正しく受け止め、理解するならば、
今 デートDVの取組を進めることは、将来のDV被害を減らすことであること、また、加害者にしない、させない取り組みが、いかに大切かがわかるはずです。
 それにも関わらず、大事な人権問題の解決のためには予算もつけずに、体裁のみを整えようとは、あまりにもお粗末な話ではないでしょうか。
 また、2021年度は議会に「女性差別撤廃条約選択議定書」に関する陳情が出され、採択されました。
 しかし、アクティブプラン2025の「世界の動き」の部分に、この「女性差別撤廃条約選択議定書」の記述が抜けていることを再三指摘してきましたが、区はこれを是正しようとしません。
 なぜ、この「女性差別撤廃条約選択議定書」が抜けていることについては、是正しないのでしょうか。
 国連で採択されたものを、なかったかのようにしたままで、それでヨシとしてしまう板橋区のジェンダーに対しての認識は、あまりにも低いと指摘せざるをえません。
 それとも、ジェンダー関連問題を改善できない特別な理由でもあるのでしょうか。
 いたばしNo1実現プランの1つ目の柱でもあるSDGs「誰ひとり取り残さない」、
また、ダイバーシティ&インクルージョンを掲げる板橋区として、早急に改善を求めるとともに、言葉だけでなく、中身もしっかり詰まった人権政策へと転換することを求めます。
 2点目は、再開発についてです。
2021年度の当初予算の際に、ブランド戦略の予算の在り方について、指摘されています。
 それは、大半が板橋駅西口や大山の再開発、東武東上線立体化、上板橋、高島平まちづくりと、植村記念加賀スポーツセンターの整備で、金額だけを見ると、板橋区の魅力とは、これから新たにできる高層マンションや公共施設にしかないのか、というものです。
 まちの魅力とは、既に板橋区の中にある人々の暮らしや風景そのものであり、住む人です。既にあるものに目を向け、そこにプラスし、区民が自分の住むまちに誇りを持てるものこそが、本当のブランド戦略だと私も思います。そこに住む人を入れ替えることではありません。
 また、シーリングをかけ、予算を切り詰め、多くの事業が縮小・中止となっている中で、なぜ再開発事業だけは進めるのでしょうか。
 再開発の経費は、再開発事業全体に対しての割合ですので、年度の中でも変動します。昨年の決算総括質問でも指摘しましたが、再開発にかかる予算が知らない間に増えていることにもなります。
 コロナ禍で格差が広がっている中で、なぜタワーマンションの建設は優先しなければならないのか、これでは苦しい生活をしている区民に寄り添っているとは言えないのではないでしょうか。
 3点目は公務労働に対してです。
コロナ禍の中でも、板橋区民が日々の生活を送ることができるのは、現場で働く職員の皆さんがいらしたからです。そして日々の私たちの生活を維持していくために、感染リスクがある中でも様々な現場で働いて下さったエッセンシャルワーカーの皆さんのご尽力があったからです。
 しかしながら、その多くは会計年度任用職員であり、今年の10月の最低賃金引き上げでは、その最低賃金を下回る人が出てしまうような、いわゆる官製ワーキングプアと指摘されても仕方のない賃金体系で働いています。
 また過労死ラインを超える長時間労働の方々もいます。マンパワーが足りていません。もっと正規の職員を増やし、職員を大切にしてください。これは区民サービスにも直結します。
 4点目は、基金についてです。
財政調整基金は「いざという時のため」のものです。コロナ禍の間、区民の皆さんにとっては、まさに「いざという時」です。
 しかしこの間、板橋区は財政調整基金を積み増ししています。先日の総括質問では、財政調整基金は、「しばらく枯渇しない」という答弁もありました。
 板橋区はシーリングをかけ、既存事業の見直しを行い、予算を使わない判断をしてきましたが、他区では板橋と同様に既存の事業を削減しながら コロナ対策を強化し、
予算を使う判断をした自治体もありました。
 区民の「いざという時」に基金を積み増してしまうことは、ほんとうに区民に寄り添う政策と言えるものだったのでしょうか。
 最後に、報告第5号 東武東上線連続立体化事業特別会計歳入歳出決算 についてです。
 東武東上線の立体化については、まだまだ周知が不足しています。
 また、この事業そのものが寝耳に水の状態から始まったため、当事者となる多くの方たちの納得を得られていません。
 新型コロナウイルス感染症の影響で様々な事業を止め、また区民が不安な中にいる間に、立体化事業だけは粛々と着々と再開発・続けていることは、区民に寄り添う
区政運営とは言えません。
 板橋区独自の事業ではないとしても、本来区民の立場に立ち、区民を守るのが自治体の在り方と考えた時、今の区の在り方には賛成できません。
 再開発・都市開発などのハード面での充実よりも、地方自治体としての1丁目1番地「住民福祉の充実」でまちを活性化する板橋へと、是非政策転換して頂くことを強く望みます。
 以上、報告第1号から第4号には賛成し、報告第5号には反対をし、
社会民主党の討論を終わります。