一般質問 英語スピーキングテスト、他 2022-6-6

6月6日 第二定例会で一般質問をしました。
持ち時間は14分。 6秒残して言い切りました。
内容は大きく3つ。
「英語スピーキングテスト」がメインです。
5月に行った大内裕和武蔵大学教授からの学びを活かした内容です。
1、英語スピーキングテストについて
2、教育現場における私費負担について
3、浸水地域における考え方について
まだ、調整中の原稿ですが、どうぞご覧ください。
私の部分は、これで決定です。
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通告に従い、社会民主党が一般質問をいたします。

1、英語スピーキングテストについて。

2019年、大学入試共通テストの「英語民間試験の活用」などが大きな議論となり、最終的には見送りとなりました。今度は2023年度の都立高校入試に、英語スピーキングテスト、ESAT-Jを導入すると発表されました。
2023年度と言いつつ、実際は今年の11月27日にはテストが行われ、その個人申込みが7月から始まります。まだまだ周知も進まず、一方では多くの大きな問題が指摘されています。
都立高校入試ということは、受験するのは板橋区立中学校の生徒の皆さんです。板橋区教育委員会はどのように対応し、臨むのか、その考え方などを質問いたします。

初めに、「意義について」です。
英語の4技能は「聞く(リスニング)」「話す(スピーキング)」「読む(リーディング)」「書く(ライティング)」です。以前は文法と訳読ばかりで、英語の授業で会話を重視すべきという考え方がありましたが、1989年英語の学習指導要領に「コミュニケーション」が記載されて以降、学校の英語教育では「会話」が重視されてきました。なぜ今になってスピーキングテストを導入するのでしょうか。

次は、「公正かつ正確な採点について」です。
英語のスピーキングテストを客観的に評価するには膨大な時間と手間がかかります。
東京都の公立中学生は約8万人、その約8万人分の音声による解答を、今年の11月末から2023年1月中旬までの1か月で、フィリピンを採点会場として採点することになります。採点者についての東京都の回答は、採点者の質を示す客観的な証拠にはならないと考えます。
また、英語スピーキングテストは、結果の「開示請求」には応じないとのことです。
学力検査は得点表と答案の写しまで開示請求できるのに対し、不透明であり、対応があまりにも違います。これまでも都立高校入試では、採点ミスで合格のはずが不合格となっていた事例も複数ありました。
都立高校入試という「公教育」の試験です。
公正かつ正確な採点ができなければ、試験そのものの信頼性は損なわれ、一番影響を受けるのは子どもたちです。
公正かつ正確な採点ができることを板橋区教育委員会は確認しているのか、また、どのようにお考えかお聞かせください。
次は、トラブルについてです。
プレテストの段階で、スピーキングテストでの事故・トラブルの検証がなされていません。
2021年度のプレテストでは、受験生はや約6万4,000人という概数しか報告されておらず、機器のトラブル、音声回収の不備、喪失などの「事故やミス」の報告がなされていません。
プレテストについては「周囲・他人の声が聞こえる」、「ほとんど答えなかったに良い点数が出た」等という話も伝わってきます。
板橋区教育委員会は、トラブルや課題などを把握しているでしょうか。お答え願います。
次は、評価の信頼性についてです。
評価の信頼性にも多くの問題が指摘されています。

1つ目は、評価の点数化についてです。
入試テストは、1点で合否が決まり、1点にたくさんの受験生が並びます。
内申点がとても大切となります。
英語スピーキングテストでは最高点100点の得点をAからFの6ランクに分けます。
例えば80点から100点の人は20点と換算されますが、80点と1点しか変わらない79点の人は換算後は16となり、4点差となってしまうなど、1点を競う入試の中で受験生や保護者が納得できるものになっていないのでは、との指摘があります。

2つ目は英語スピーキングテストを受験しない場合について、東京都・教育庁文書「不受験者の扱い」には「学力検査の得点から仮の『ESAT-Jの結果』を算出し、総合得点に加算する」とあります。
スピーキングテストの行われない学力検査の結果から、スピーキングテストの点数を図ることができるのでしょうか。入試の客観性が大きく損なわれるとの指摘もあります。
また、不受験者の扱いが事前に公表されていることで、スピーキングテストが苦手な受験生はスピーキングテストを受験しないという行動を取ることが危惧されています。
これにより、かえってよい点数を得ることができるという矛盾が生まれます。
既に大手の塾に通う生徒・保護者の間では「スピーキングテストは別に受けなくても良い」という情報が広がり始め、一方でどの情報を知らない生徒・保護者は、苦手でも真面目にテストを受けるという「情報の不平等」も生まれます。
さらに、大手の塾に通わせることができるか否かは、家庭の経済的状況に大きく左右されます。

3つ目の問題として、スピーキングテストが苦手な受験生がわざとスピーキングテストを欠席するようなことが起きたなら、都立高入試の公平性や公正性は崩壊し、東京都教育委員会の社会的信頼性は失墜するとの指摘があります。板橋区教育委員会に対しての信頼にもひびが入るのではと懸念します。

4つ目は、都立高校入試の第一次募集の場合、英語で成績「5」を取ると調査書点は約23点になります。これは授業やテストなど、日々の努力の積重ねでの点数です。
これに対して、英語スピーキングテストは、英語の一領域のスピーキングの1回約15分のテストで、20点の配点となります。
英語だけで計43点となりますが、他の国語、数学、理科、社会はどんなに頑張っても最高点が23点です。これでは、特定の強化のみ配点が高くなってしまいます。
以上、評価の信頼性について、様々な問題が既に指摘されていますが、この評価の信頼性について、板橋区教育委員会はどのように考え、また生徒や保護者が納得できるよう、どのように説明をするのでしょうか。

次に、「個人情報について」です。
英語スピーキングテストの採点は一企業である株式会社ベネッセが行いますが、2022年度に実施される本試験から、都立高校志望予定者全員の名前、顔写真、「ESAT-J」の結果がベネッセに渡ることになります。
個人情報の管理が重要になりますが、ベネッセは以前、業務委託先の従業員が約3,500万件の顧客情報を持ち出し名簿業者に売却したという事件がありました。
大量の個人情報を安全に管理できる根拠を明確にするためにも、東京都教育委員会に個人情報保護をしっかりと求めることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

次に、「格差について」です。
2月の補正予算総括質問でも指摘しましたが、家庭の経済力が公教育である都立高校入試で教育格差を拡大することがあってはならないと考えます。
そのために、板橋区はどのような対策をお考えでしょうか。

次に、「周知について」です。
様々な疑問や指摘がある中で行われる英語スピーキングテストですが、採点は2023年の1月中旬までかかると言われています。
年内のうちに進路指導が行われ、多くの受験生は12月には志望校を決めていると思います。
そこに1月中旬になって、スピーキングテストの結果が返ってきて、志望校を変える必要があるケースも出てくることと思います。これは受験生に精神的にも大きな影響を与えます。
また、推薦入試の出願時期は例年1月中旬ですが間に合うのでしょうか。
また、その時期に結果が返却されたら、教員にとっても負担となり、働き方改革に逆行する状態となってしまうのではないでしょうか。
都立高校の出願時期は例年1月末から2月初旬とのことですが、ぎりぎりのスケジュールとなります。
受験生、保護者、教員それぞれに大きな不安や動揺、混乱をもたらす懸念がありますが、板橋区教育委員会はどのようにサポートしていくのか対策をお考えでしょうか。
また、5月20日、都の教育委員会から区部の中学校に対して英語スピーキングテストの説明会が行われたと聞いています。しかし、まだまだ知らない人がたくさんいます。
それでも11月27日には試験は行われようとしています。
受験生や保護者、また他の学年の保護者などにはどのように説明をし周知を図っていくのか、お答えください。

次に、「英語企業間の公平性・公正な競争について」です。
「ESAT-J」とベネッセの「GTEC」との類似性が指摘されています。
板橋区は自治体として「GTEC」を採用していませんが、多摩市では自治体の予算で複数回生徒が「GTEC」受けるそうです。テストに慣れると、それだけ点数が上がるという指摘があります。だからといって、板橋区でも、という話ではなくて、英語企業間の公平性・公正な競争を妨げるのではないかと指摘されているのです。
板橋区教育委員会はどのようにお考えか、お答えください。

この項の最後は「配慮について」です。
様々な障がいのある生徒がいます。吃音のある生徒に対しての対応は取り上げられていましたが、そのほかの対応はどのようになっているのでしょうか。
差別を助長するようなことがあってはならないと思います。お答え願います。

2、教育現場における私費負担について。

コロナ禍の中、学校教育にも様々な影響があり、制限がありました。この週末は各中学校で運動会が開催されるなど、平常が戻り始めました。
しかし、まだまだ新型コロナウイルスによる経済への打撃、今月、来月で3,000品目以上が値上がりすると言われています。本当に物価の高騰による打撃が大きくなっています。
低所得の世帯や家計急変世帯への支援があったとはいえ、区内の保護者の方からは、区立小中学校での私費負担に関してご相談やご意見が届いています。
教育の無償化と言いつつ、実際は私費負担のものが様々あり、その金額は家計を圧迫しています。消費税も軽減されておらず10%。
私費負担を減らすことは、これまでも求められてきましたが、今、この家計が厳しい中では、さらに配慮が求められます。
さらに、リサイクルするなどして、ごみとしないことも、環境への取組の視点で、大事な取組となります。

2016年の決算総括質問で、私は標準服、体育着などの価格について取り上げました。その際に柔道着の貸出しについても質問をいたしました。
その後の確認の意味も込めて、改めて取り上げたいと思います。

初めに柔道着についてです。
自分で柔道着を購入することを求められている学校、貸し出していて、購入をしなくてもよい学校、同じ板橋区立中学校でも様々な対応があります。
柔道の授業自体、年に何十時間もあるものではありません。
また、授業以外で使わない人にとっては、授業が終わってしまえば不要となります。
柔道着について、貸出制を考えることはできないでしょうか。

次は水着についてです。
学校では指定の水着や水泳帽があります。
一方、スイミングスクールに通っているお子さんもいて、既に水着などを持っている場合があります。
私費負担を増やさない視点からも、学校指定のものに限定するのではなく、最低限の要件を満たせば認めるなど、必要以上に厳しくせず、融通を利かせてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

3、浸水地域における考え方について。

この数年、気象が激甚化し、毎年水害による災害が起き、その被害も甚大なものとなっています。2019年の台風19号で荒川が越水しそうになったことは、板橋区民にも大きなショックを与えました。
しかし、浸水地域に住んでいる人は増え続けています。
これに対し、日本放送協会は「クローズアップ現代」で、「なぜ増える? 浸水エリアの住宅、命と暮らしをどう守る」という特集をしていました。リスクを知らせるだけでは命は守れないとし、浸水警戒区域指定する滋賀県の取組を紹介していました。
最終的には「長期的に居住誘導が求められる」との指摘もありました。水害は立地が全てとのことです。

そこで伺います。
公共施設の中には教育施設も含まれ、たくさんの子どもたちが集まる施設となりますが、板橋区は避難所に指定しています。もし建て直す場合は、少しでも安全な場所へ移動させて建て直すなどすることで、区民の意識への見えない影響も大きいと思います。
反対に、安全な避難所をなくしたり、浸水地域に人がたくさん集まる場所を新たに造ることは、命にも関わり、避けるべきことです。
浸水地域における公共施設に対する区の「安全」への考え方はどうなっているのか。お答えください。

今日から東京は梅雨に入りました。防災は平常時の取組が大切です。
命と暮らしを守る区政を望み、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)

 

○区長(坂本 健)  それでは、五十嵐やす子議員の一般質問にお答えいたします。

浸水地域における考え方のご質問であります。

公共施設は、住民福祉を増進する目的を持って、その利用に供するため設置するものでありまして、浸水地域でありましても同様であると考えます。
浸水地域にある公共施設の安全確保には、水害時においても必要な機能を果たせるハードとソフトの充実が重要と考えます。浸水地域にあっても住民に必要な公共サービスを提供できるように、水害時の安全対策を講じながら、更新整備に合わせて機能の充実を図っていきたいと考えています。
教育委員会に関する答弁は教育長から行います。

○教育長(中川修一)  議長、教育長。

○議長(坂本あずまお議員)  教育長。

〔教育長(中川修一)登壇〕

○教育長(中川修一)  それでは、五十嵐やす子議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。

初めに、英語のスピーキングテストの導入についてのご質問ですが、東京都教育委員会では、小中高等学校で一貫した英語教育により、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことの4技能を通して生徒の使える英語力の育成を推進しているところです。
英語スピーキングテストは、その中でも生徒の英語科における話すことの能力を評価し、英語指導の充実や改善に活用することを目的としています。また、東京都教育委員会は、都立高等学校入学者選抜において、本テストの結果を活用し、学習の成果を的確に測定することも英語スピーキングテストを導入する目的としております。
次に、採点の公平性及び透明性についてのご質問ですが、東京都教育委員会は、令和3年度実施のプレテストに基づき、様々な視点から内容、方法等を検証し、令和4年度の確実かつ円滑な実施につなげるとしております。これまでに実施されたプレテストにおきまして、本区の区立中学校から生徒の採点結果に関わる大きなトラブルや保護者からの問合せがあったことの報告はございません。プレテストの状況から、東京都教育委員会の採点システム等の採点業務については、公平性・透明性を確保し、運営していると認識しているところです。
次に、プレテストにおける課題についてのご質問ですが、プレテストにおいては、学校から事務手続等の問合せはありましたが、採点結果につながる大きなトラブルや課題についての報告は受けておりません。
次に、評価の信頼性についてのご質問ですが、本テストは、東京都教育委員会が採点のシステム、採点者、採点業務について監修し、公正に評価が行われていると確認しております。東京都教育委員会は、ウェブサイトに情報を掲載し、全生徒・保護者に対し、本テストの概要を紹介するリーフレットを配布するなど、周知を行ってきております。
板橋区教育委員会は、都立高校入試につきまして直接保護者へ説明する立場ではありませんが、東京都教育委員会と連携し、生徒・保護者の方々へ適切に情報が届くよう、今後も丁寧な周知を図ってまいります。
次に、安全な個人情報の管理についてのご質問ですが、板橋区教育委員会としましても、スピーキングテストにおける生徒の個人情報については、適切に取り扱い、厳重に管理される必要があると認識しております。
東京都教育委員会は、今後も委託事業者との基本協定の情報に基づいて、事業者に対して指導を継続すると述べております。板橋区教育委員会は、これまでも適切な個人情報保護に取り組んでまいりましたが、改めて東京都教育委員会に個人情報保護について確認してまいります。

次に、教育格差への対策についてのご質問ですが、東京都教育委員会は本テストについて、生徒が自分の考えや事実等を英語で伝え合うなど、日常の授業で取り組んでいる学習内容から取材し、日頃の成果を図るものとしております。また、本テストの過去の問題や解答例をウェブサイトに掲載するとともに、英語で話すことの練習ができる動画教材も配信しております。

板橋区教育委員会としては、日頃の英語の授業を積み重ねることが重要であると捉え、各学校にその旨を伝えてまいります。

次に、スピーキングテストの周知及びサポートについてのご質問ですが、東京都教育委員会では、本テストの内容や受験までの流れ等をリーフレットにまとめ、5月中旬に生徒・保護者に配布し、周知しているところです。さらに東京都教育委員会が操作確認用のタブレット端末1台を全中学校に貸与し、模擬体験ができるウェブサイトも準備しておりますので、それらを活用し、サポートを行ってまいります。

板橋区教育委員会では、東京都教育委員会の取組を基に、区立中学校へ繰り返し周知するとともに、大きな不安や動揺、混乱が起きないよう、各学校から生徒・保護者に対して丁寧な説明を行ってまいります。

次に、英語企業間の公平性についてのご質問ですが、英語スピーキングテストの採点受託事業者が独自に開発した英語テストGTECを既に導入している自治体があることは認識しております。東京都教育委員会からは、ふだんの授業の学習で十分に対応できるとされており、GTECの導入を含め、特別な対応は必要ではないと考えております。本テストは、東京都教育委員会の監修の下で行われるものであり、板橋区教育委員会は、英語企業間の公平性、公正な競争を妨げる可能性について言及する立場ではないと認識しております。

次に、配慮を要する生徒への対応についてのご質問ですが、東京都教育委員会では、特別な支援を要する生徒に対して、受験方法や受験時間等について特別な措置を申請することが可能としており、特別措置を設定しております。例えば文字や絵などが拡大された問題冊子による受験、音声を文字化した問題紙材での受験、時間の延長等、障がいの特性等に応じた措置を行おうとしております。特別措置には事務手続が必要なため、東京都教育委員会からの情報を区立中学校へ確実に周知し、特別な支援を要する生徒が適切な措置を受けられるようにしてまいります。

次に、教育現場における私費負担に関しまして、柔道着の貸出制についてのご質問ですが、中学校の体育で柔道を実施する場合、ほとんどの学校は柔道着の購入を各家庭にお願いしているところです。これらの学校におきまして公費負担で柔道着を用意し、学校管理の下で貸出しを行うような新たな仕組みを導入することは、費用負担や管理衛生面などの課題があり、難しい状況であると思われます。しかし、家庭の負担軽減について考慮することは大切でありますので、他自治体の実施状況や学校現場の声も参考に、その対応について研究してまいりたいと思います。

最後に、学校指定以外の水着の着用についてのご質問ですが、学校の体育で水泳を実施する場合、ほとんどの学校は、学校指定水着の購入を各家庭にお願いしているところです。しかし、転校生など他の水着を所持している家庭につきましては、相談を受ければ学校指定以外の水着の着用も容認しているところであります。一律に水着を自由化するというところまでは現在は考えておりませんが、家庭の負担感という観点から、これまで同様個別に臨機応変な対応を行ってまいります。

いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。