大山再開発関連陳情の討論(2020-3-3)

陳情第21号 大山駅周辺地区のまちづくり等に関する陳情
第6項 区の主体的なまちづくりの件

陳情第53号 東武東上線大山駅付近の高架化計画に関する陳情
第2項 高架化説明会開催要望の件

陳情第84号 大山の暮らしとにぎわいを守るための環境悪化防止に関する陳情

陳情第90号 東武鉄道東上本線大山駅付近の連続立体交差事業に関する陳情

上記の各陳情に賛成し、
委員会決定 不採択に反対の立場から、討論を致しました。

大山の再開発に関して、多くの陳情の中で指摘されていることは「合意形成がなされていない」ことです。合意形成がなされないまま計画だけが進んでいるため、多くの区民が困惑し、納得できず、陳情が提出され続けています。

昨年9月に出された陳情第53号では、東武東上線の高架化により、影響を受ける恐れのある線路南側の方へ周知徹底の上、東京都と東武東上線に説明会を行うよう要望してほしい、という内容でした。しかし、1月の閉会中の委員会で不採択とされ、私も委員会の中でも東上線の南側の沿線住民への影響を伝えるべきと申し上げて参りましたが、当事者への周知はなされませんでした。

そしてこの第1回定例会に出されたのが、陳情第90号です。

これまで、都市計画の素案説明会や案説明会にも参加してきたにもかかわらず、東上線の高架化により線路南側への影響があることは明示されておらず、板橋区からも不安に対して明確な回答を頂けないと、当事者である陳情者が指摘しています。しかし、当事者個々への説明はなく、オープンハウス型説明会やチラシをまいたことなどで、周知は為されていると、繰り返し説明がなされてきました。

しかし、この陳情からもわかるように、現実は計画については、未だに周知徹底はなされていません。また、周知と、理解・納得は違うものです。理解し、納得してもらうための努力、例えばチラシを配布するだけではなく、当事者一人ひとりに向き合う努力が必要です。

今回、当事者抜きの計画推進であることが、当事者の方に指摘されたことを、重く受け止め、反省すべきです。

その上で、拙速な事業認可申請を行わないことを、区から東京都に意見書を上げること、また用地測量に当たって強制的な立ち合い等行わせないよう、都が業者を指導するよう板橋区議会から意見書を提出してほしいという当事者の思いを、大切にすべきです。

2月に開催された用地測量の説明会においても、東京都は影響について明確には答えず、それぞれの参加者が、自分でホールに展示してあるものを確認するように、と言うお答えでした。参加していない方は掲示されていることも知りません。まして見て確認することもできません。説明責任を果たすどころか、あまりにも無責任であり、不誠実ではないでしょうか。

ほんのわずかでも建物に影響があるなら、当事者にとっては重大な問題となり、それが集合住宅であれば、当事者はその1室だけではすみません。上下の階、また同じ建物すべての住民にその影響は広がります。マンション管理、マンションの構造など、影響は個人にはとどまりません。今後の生活にも大きく影響します。

それでも「測ってみなければわからない」と繰り返すだけでは、区民が不安を抱くのは当然です。

そもそも大山の駅前広場計画では、素案説明会に参加して初めて自分の家や職場などが計画に含まれていることを知り、今度は都市計画決定された後の用地測量説明会で、初めてその計画が自分に影響がある可能性を知った区民がいて、驚き困っている事実。板橋区が、いかに当事者抜きで計画を進めてきたかが明白です。

板橋区は「寄り添う」と繰り返してきたのです。
しかしながら、当事者の方たちが「合意形成」や説明会を求める中、都市計画を決めてしまったことは、現実と大きな隔たりがあり、大変遺憾です。

次に、陳情第21号、第84号からも、大山の再開発関連事業の区民への説明に対して、不安や疑問、疑念等が、まだまだ根強いことがわかります。

補助26号線は都の事業ですが、その場所は板橋区であり、住んでいるのは板橋区民です。
ハッピーロード大山商店街は板橋区民に愛され、また区外からも多くの人が訪れ、親しまれている商店街です。
しかし、立退きに際しても、個店に対しては補償があるものの、商店街に対しては補償も示されないなど、課題も多く残り、商店街をいかに存続させるかという大きな不安の中にいます。先が見えないからこそ陳情が出され、区の力を必要としています。板橋区として、様々な知恵を出し、商店街を応援し支えること、その姿勢を見せていくことが、今こそ必要です。

 

また、生活する者の視点からは、大山に暮らし続けていくにあたって、景観、日照、子育て、教育、排気ガス、騒音、コミュニティなど様々な角度からの環境悪化についての懸念の声があげられています。大山の環境を守り、にぎわいを守ってほしいと願うことは、板橋区が掲げるSDGsに適うものです。

東京都が行った環境影響評価は、騒音調査、振動調査について、高さ1.2mの地点での予測値のみが広く配布されたパンフレットにより住民に示されています。
10m、15mの地点では現境地を上回る数値となり、区は都への対策を求めています。
しかし、10m、15mの数値が現況より高くなることは、配布されたパンフレットを見た区民は、他にも数値があるとは思いません。区民の信頼を裏切るものではないでしょうか。

また、交通アクセスの結節点と言いつつ、大山駅前広場に路線バスをと言っても、先が見えない状態です。区の事業だからと一方的に言われても、事業そのものが本当に必要なのかと納得ができないのは当然です。
今まで車がほとんど通らない道に、ピーク時1時間に11台のバス、その他タクシーなどが乗り入れるとなれば、排気ガスや騒音等、環境についての心配がなされるのも当然です。

コミュニティにおいては、タワーマンションとその周辺地域の町会や自治会などとの関係がうまく行っていないなどの事例を、様々な方が指摘しています。
立ち退いた住民や商店が、どれだけ今のコミュニティに留まることができるのかも、不明です。

一つひとつあげれば枚挙にいとまがありませんが、区民の皆さんが抱く不安や疑問等は、永年住み続けている大山に、これからも住み続けたいからこその思いであり、大山を大事に思えばこそのことです。

 

本来、板橋区が守るべきは板橋区民です。その区民が危惧し、困っているのです。
大山の再開発関連を憂う陳情が後を絶たず、新たな問題も陳情として出されている現状を、板橋区はしっかり受け止め改善すべきです。

以上、陳情には賛成し、委員会決定不採択には反対し、討論を終わります。