陳情第88号 都心低空飛行に関する陳情(防災計画の件)への意見

本日の本会議に置いて、
陳情第88号 都心低空飛行に関する陳情(防災計画の件)が否決されました。
このことについて、私の意見を示します。

この陳情は3月29日から始まる羽田空港新ルートに関するもので、
都心低空飛行が始まることに対し、区民の安全・安心な生活を守るために、
不慮の事故を想定し、国に対して航路全体についての防災計画を至急作るよう
要求してほしいというものです。

国の防災基本計画の第9編には航空災害対策編があるというものの、
個別の航路についての記載はなされていません。

また国土交通省も個別の飛行ルートについて防災計画は持っておらず、
落下物については厳しい基準は作ったものの、各航空会社の責任とし、
ルートを決めた国としては、自らの責任には触れていません。

また、いざという時の対応に関しても、細かい内容は示されていません。
起きてはならないことだが、もしも事故が起きた場合に、
国や都と板橋区がどのように連携するかは何も決まっていません。
航空機事故に対しての防災訓練に関しても、何も決まっていません。

例えば1989年アメリカのユナイテッド航空232便不時着事故は、
御巣鷹山の事故のように全ての油圧が失われ操縦系統が失われた事故でした。
アイオワ州スーシティのスー・ゲートウェイ空港に緊急着陸したものの、
炎上し、296名の乗客・乗員のうち112名が亡くなったが184名が助かりました。
このスーシティでは1987年に大規模な飛行機事故を想定して防災訓練を実施、1989年にも小規模な訓練が実施されており、
第1報から事故機が空港に入ってくるまでの約30分間に、
これらの経験が現場や救助活動などに活かされ、
その活動水準も高かったと評価されています。
なんと、市民により献血まで呼びかけられていたそうです。

離陸後3分、着陸前の8分間の時間帯に航空機事故が一番起きているとされ、
魔の11分と言われています。

今までなかった都心低空飛行というルートにより新たな危険性が想定できる中で、
さまざまな安全対策をしていくことは、必要不可欠です。
航空機事故は、いち自治体だけでは対応できるものではない事態も
想定できること、
また国が進めている事業であることからも、
まずは国に対して防災計画の充実を求めることは、
区の責任でもあり、必要なことであると考えます。

このような理由から、私は陳情には賛成をし、
企画総務委員会決定 不採択には反対しました。

 

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