気候変動セミナー「東京都の太陽光義務化の実現に向けて~現状と課題」

8月26日に参加した気候セミナー
その報告を書きました。
<報告>
板橋区議会議員 五十嵐やす子
8月26日、東京都庁 都議会議会棟会議室にて、
気候危機・自治体議員の会の
「気候セミナー『東京都の太陽光義務化の実現にむけて~現状と課題』」
が開催されました。

会場とZoomウェビナーでのハイブリットで、
超党派の日本各地の地方自治体議員が参加。
これまでも日本各地の自治体議員がそれぞれの自治体で気候危機を呼び掛け、
スタンディングするなど活動してきましたが、
コロナ感染症のパンデミックのため、
直接顔を合わせて学ぶということができずにおりましたので、
今回のリアルなセミナーは嬉しいものでした。

当日は、東京都環境局 気候変動担当部 環境都市づくり課長より
「太陽光パネル設置」「カーボンハーフ実現に向けた条例制度改正の基本方針(案)」
の制度の概要と現状、今後の方針について報告と説明を頂きました。

一度建てたら長く使うのが建物ですが、
2050年時点では建物ストックの約半数、特に住宅においては7割が
今後新築される建物に置き換わる見込みとのことで、
2050年の東京の姿を形作る新築建物への対策が重要という考えが基本にあります。

また、現在の都内における太陽光パネル設置は4.2%に留まり、
都内の「屋根」が大都市東京ならではの大きな「ポテンシャル」と考えています。

エネルギー消費量をみても、家庭部門のエネルギー消費量が
2000年度比で唯一増加しているとのことで、対策強化が必要と考えています。

これらのことより東京都は「HTT(電力をへらす、つくる、ためる)」を掲げ、
「建築物環境報告制度(仮称)」という2000㎡未満の建物にも
太陽光発電・ZEV充電設備の設備義務、断熱・省エネ性能設備の義務等を新設するなどの太陽光発電の義務化を示しました。

また、これに対して東京都がパブリックコメント(5月25日~6月24日)を行ったところ、
3779通の意見提出があり、賛成56%、反対41%と拮抗した結果となりましたが、
若い世代ほど賛成の意見が多く、注目され、
8月8日の東京都環境審議会で推進の答申が出されました。

次に「太陽光義務化『反対の理由』をファクトチェック」と題して、
前真之東京大学准教授(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授)に
お話を伺いました。

太陽光パネルや東京都の制度に対しては、まだ誤解なども多く、
私自身も古い情報のままの部分もありましたが、
前氏のお話はたいへん分かりやすく、様々な情報が私の中でリセットされました。

会場からは太陽光パネルのリサイクなどの質問も出ましたが、
現在は太陽光パネルのリサイクルもあり、
これから必要なのは、いかにしてリサイクルに回すシステムをつくるか、
という課題があることを認識しました。

一旦会を閉じてからの懇談会でも活発な意見交換が行われ、
前氏のお話に対しての関心の高さが伺えました。

今年の夏だけを見ても日本各地の異常な暑さと、降れば被害につながる豪雨、
世界的にはヨーロッパや、中国の長江が渇水している様子が伝えられています。

その一方、パキスタンでは通常の降水量を780%も上回り、
1000人以上の方が亡くなるなどの甚大な被害が出ています。

このような気候変動、いえ気候危機、気候崩壊の始まりを実感している今、
今すぐできることから実行することが大切であり、
エネルギー対策の取り組みを早急に始める必要性を思います。

太陽光パネルに対しては、東京都のパブコメからも様々な意見があることがわかりますが、前氏の
「屋根にあげることと、山など自然を削って作るメガソーラーは別物と考える事が必要」
との説明に、頷きました。

折しも岸田総理の7基の原発の再稼働や新しい原発を造ることについての言及があったばかりです。
ヨーロッパでは渇水のため原発をどう冷やすかという問題にも繋がっていますが、
エネルギーの乏しい日本がどのようにエネルギーを生み出すか、
そしてそれが環境に負荷の少ないものとしなければならないこと、等
私たちに既に降りかかっている喫緊の課題であると改めて受け止めました。

以下より当日の録画を見ることができます。