「女性による女性のための相談会」報告(寄稿)

「女性による女性のための相談会」開催報告 (日本の進路 寄稿)

板橋区議会議員 五十嵐やす子

 

昨年12月25・26日、今年の1月1・9日にわたる計4日間、東京都新宿区立大久保公園を会場に「女性による女性のための相談会」が開催された。年末の開催には2日間で169件、年始の2日間で213件、計382件の相談が寄せられた。相談に訪れた女性は10代から80代までと幅広く、都内だけでなく近隣自治体の方からの相談もあった。相談の内容も幅広く、また一人の持つ問題が複合的な内容というケースが多かった。

昨年3月、7月に続き今回で3回目の相談会は、代表を置かない実行委員会形式で、より安全で相談者が安心して相談できるよう、勉強会や会議を何度も重ねての開催だった。そして、ボランティアも4日間で延べ396人という相談者とほぼ同じ人数で、まさに一人ひとりに寄り添う体制となった。

2008年末リーマンショック後の年越し派遣村では505人の相談者のうち女性はわずか5人。それに対し、前回の年末年始に行われた「年越し支援・コロナ被害相談村」の参加者344人のうち約2割が女性で、女性の生活困窮が急増していたが、今回はさらに女性の困窮が顕著となっている。残念ながら女性の自殺も増えている報告もある。

前回のコロナ被害相談村に訪れた女性からは「セーター1枚を欲しかったが、男性の支援員には言い出せなかった」など、女性ならではのニーズが寄せられたとのこと。
ここに女性有志が集まり女性に特化した相談会を開催することとなった理由がある。

東京都などの後援を頂くと共に、実行委員会のメンバーで街角では問題を訴え相談会の呼びかけ、周知を行うとともに、新宿や池袋の夜間保育園やコンビニ、バスタ新宿などにチラシを置き、新宿や池袋などの夜回りも何度も行い、地道な活動を続けて当日を迎えた。相談日の夜も新宿などの夜回りも行った。「近所のスーパーでチラシを見つけて参加した」という声も聞かれ、女性の日常を考えてのチラシ配置の効果が伺われた。

会場では受付の後、カフェでお茶やお菓子、おにぎりやお雑煮などを食べながら、インテーク。その後、相談(内容によって相談員を選定)をして、マルシェで必要なもの(生野菜や果物、お米などの食糧や生理用品を含む生活必需品、衣料品など)を選ぶ。もちろんその後、またゆっくりお茶をしながら寛いで、という流れ。

会場は受付、カフェ、相談ブース(複数)、マルシェ、託児などのブースを設け、複数のテントを張り、すべて内向きに丸く配置し、隙間も無くし、外から中を見えないようにと様々な配慮をしている。

先に、この相談会が始まった経緯を述べたが、女性に特化するだけでなく、こんなにも厳重に周りから見えなくしてしまう理由を改めて述べたい。
なぜこんなにも安全・安心を目指すのか、細かすぎるのではないか、やり過ぎではないか、と思う方もいるかもしれない。しかし、必要だからやっていることを、もう一度知って理解してほしいと思う。

女性の中にも、男性と一緒の相談が苦にならない方もいる。しかし、そうでない方もいる。この「そうでない方」が、なかなか誰にも相談できず困っている。たくさんの男性がいるのを見るだけで気おくれしたり、怖くなってしまう女性がいることを理解してほしい。「男性」というだけで、以前自分が体験した怖い思い、嫌なことを思い出す女性がいる。ましてやDVや虐待、性虐待を受けた女性は「逃げている」。それが自分に危害を加えた男性でなくても、「男性」というだけで恐ろしく思ってしまう心理状態を持たざるをえない女性が存在している。

そのため良かれと思って男性が会場の周りにいて支援しようとするだけで、近づくことが出来ない、また会場に男性の姿があるだけで話せなくなってしまい、相談せずに帰ってしまう女性がいる。本当に様々な経験をした女性が相談に来ている現実がある。

そのような方にも安心して安全に相談してほしい、また「その場所にいる」ことができる「居場所」をつくることを、私たちは目指してきた。年末年始、皆勤して毎回話を聞かせてくれた女性がいることが嬉しいし、また年末にアドバイスしたことを報告しに来てくれた方がいることも嬉しく思う。「女性だけだから来ることができた」という声も、複数報告されている。

今回の相談会では、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、女性が抱えていた問題が顕在化し深まっていることが改めて浮き彫りになっている。

以前はいくら話しても生活保護は絶対に受けないという方が多かったが、今回は生活保護についての情報を聞きに来た方、自分から受けたいという相談も増えてきたように思う。この半年の間に離婚したというシングルマザーも増えている。

実行委員会の出しているリリースの事例からざっと拾い出しても、「食べるものが不足している、使える支援がない、情報がない、仕事が不安定(パート、アルバイト、フリーランスなど)、失職した、仕事が見つからない、父からのモラハラ、虐待、暴力、過重労働、家を失ってネットカフェ生活を1年位以上、金銭トラブル、身だしなみに気を付けられる余裕が欲しい、子育てに時間がかけられない、子どもの障がい、親の介護、うつ、コロナで大学での研究ができず卒業できない、離婚したい、離婚後の生活の不安」等々が挙げられる。

全体的に複合的な問題を抱えている女性が多いことを改めて認識した。また学生も含めて若年女性の困窮が深まっている。

実行委員会では相談会後も、相談者に伴走支援をし、会議も継続して行って情報共有も行っている。

また、初めの相談会から参加している方もいて、一時的な支援と合わせて継続的に悩みを相談できる相手や居場所を必要としている女性がいることがわかる。

次回は未定であるが、これまで同様に報告会を開催予定。是非多くの方に実態を知ってほしい。ここに制度の隙間、不足があり、政治の問題が詰まっている。

 

※画像は「女性による女性のための相談会実行委員会」提供