2020年度決算の討論をしました

ただ今より、社会民主党が

議案第1号「令和2年度東京都板橋区一般会計歳入歳出決算」

議案第2号「令和2年度東京都板橋区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」

議案第3号「令和2年度東京都板橋区介護保険事業特別会計歳入歳出決算」

議案第4号「令和2年度東京都板橋区後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」

 

可決に「賛成」の立場から、また、

 

議案第5号「令和2年度東京都板橋区東武東上線連続立体化事業特別会計歳入歳出決算」

 

可決には「反対」の立場から討論をいたします。

2020年2月20日に内閣府が発表した月例経済報告は「景気は輸出が弱含む中で、製造業を中心に弱さが一段と増した状態が続いているものの、緩やかに回復している」というものでした。

しかし、内閣府の発表とは別に、生活する者、また中小企業などにとっては、日本経済の落ち込みは消費税が10%に上がる以前から肌感覚として感じており、消費税が10%となってからは、さらに強く感じていました。新型コロナ感染症が拡大する前から、大企業とまちの中小企業との格差はますます広がり、深刻なものとなっていました。

そこに2年近くにもわたって、さらなる打撃を与えたのが新型コロナウイルス感染症です。

2020年3月25日時点では、世界で累計40万人以上が感染したと伝えられ、WHOもパンデミックを宣言しました。
また、2020年2月27日に安倍元総理が突然、小・中・高等学校の臨時休校を要請して以降、さらに急激に経済が落ち込みました。
国際通貨基金、IMFも2020年3月23日、2020年の世界経済がマイナス成長に陥るとの見通しを示しました。そんな中で議決されたのが2020年度の板橋区の予算です。結局、オリンピック、パラリンピックも1年延期されました。

 

私は、2020年度の決算は特別なものと考えております。そのため、今回は大きな流れの中における2つの視点、1つ目は「いざという時」の視点、2つ目は社会的弱者の視点で意見を申し上げたいと思います。

 

板橋区は、コロナ禍の続く中で第8次までの補正予算を組み、その都度必要なところに予算をつけました。中にはコロナの感染が新たに広がり、実施できないものもありましたが、これがコロナ感染症と言う、先の読めないものを相手にしての難しさであると、学んだことも多かったのではと思います。

 

同時に、区は緊縮財政をとり、2020年度はシーリング10%、30億円が掲げられ、実績は17億2553万円の効果となりました。

コロナ禍といういざという時だからと予算を使う自治体と、反対にため込む自治体とに分かれましたが、板橋区はため込む方の自治体となりました。

 

財政調整基金は「いざという時のために使う予算」そう説明がなされてきましたが、コロナ禍は「いざという時」ではないのか、不思議に思います。

 

2015年に議決された板橋区基本構想には、10年後の9つのあるべき姿が描かれていました。その8番目にある、防災・危機管理分野の「万全な備えの安心・安全ビジョン」の中には、「新たな感染症などによる健康危機への対策が充実し、区民の健康に関する安全と安心が確保されています」という姿が描かれています。

まさにこの新型コロナウイルスという健康危機、パンデミックが予測されていましたが、どのような対策が取られていたのでしょうか。

予測していたにも関わらず、保健所の機能が削がれてきたこと、人員が減らされてきた事を、今回どのように考えているのでしょうか。

先日の決算総括質問で、保健所長は「人手が足りず職員の超過勤務が続いたが、人手が足りないことすら伝えられなかった」という由の答弁がありました。

これまで何度も区の正規職員の人数について指摘してきました。

ぎりぎりの状態で大丈夫なのか、足りないのではないか、いざという時に対応できるのか、問うてきました。

今回は地震などの災害ではありませんでしたが、災害級のパンデミックです。災害時も区の職員は本務業務なのだと、これまで答弁を頂いてきました。

今回、災害級のパンデミックの中で、区の職員の皆さんは本務業務を果たして下さいました。しかしながら、その業務はあまりにも過酷であると思います。

働く者、それも区のために働く者をもっと大切にすべきです。

また、現業の新規採用がなかったり、若い職員が入らないため職場の平均年齢が高くなっているところもあります。若い職員の採用をして、仕事の技術やノウハウをしっかりと引き継いでいく環境を作ることが大切です。

一時期区内には、1800人もの自宅療養者がいると指摘されていましたが、その方たちがどこで療養しているかもわからない状態でした。また、そのごみも普通ごみとして扱われ、どこに出されているのか、わかりませんでした。コロナ禍の中、しかもごみの量が多くなっても、ごみ収集をして街の公衆衛生を守る清掃職員のみなさんに、区民の皆さんからは感謝の手紙がたくさん寄せられ、展示されました。

コロナ禍の中で改めて思ったのは、一人ひとりの職員が居てくれて、区民のために仕事を担ってくれているおかげで日々の暮らしが成り立っているということです。

職員を大切にし、処遇改善、人員を増やしてほしいと思います。このことは、区民サービスにつながります。

 

また、自殺者が増えていることは、多くの会派や議員からも指摘がなされているにも関わらず、結局保健所は、コロナの対応のため何もできなかったことが、明らかとなっています。

8月になりやっと専門の担当者が置かれましたが、まだまだ足りないと思います。災害時の心のケアは大切です。指摘されながら手が回らないような備えでは困ります。

それだけ、区民の苦しみを受け止めなかった、ということではありませんか。

災害やパンデミックで職員が手が回らなくなることは、始めからわかっていたのではないでしょうか。わかっていながら対応しないことは、人災です。繰り返しますが、人手が足りないのに、それすら言えないのは、職員が足りていないことの最悪の現象です。

是非、非正規労働などではない、正規の職員の人数を増やすことを望みます。

 

そして、今回のコロナのパンデミックへの対策・対応において、今まで想定してきたことがどれだけ有効であり、活かすことができたのか、また、どこが、何が不足していたのかなど、改めてしっかりと評価をし、今後必ず起きると言われる大地震などの災害に備え、活かしてほしいと思います。

 

次に、コロナの中で格差が広がりました。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う深刻な景気悪化は、2009年のリーマンショックを超える経済の落ち込みとなり、マイナス成長どころか、仕事を失い、また仕事は継続していてもシフトを入れてもらえず給料がもらえなかったり、また仕事と同時に住まいを失ってしまい、路上生活で食べるものにも困り、近くでは池袋の公園で民間団体によって、毎週炊き出しが行われました。日を重ねるにつれ、そこに集まる人もどんどん増えました。

区内でも区民の皆さんがあちこちでフードパントリーや相談会などを行い支援していました。頭がさがります。

 

一方、特に飲食店は時短やアルコールを出せないなど、先の見えない苦しい実態が長く続きました。飲食店だけではありません。花屋、靴屋、クリーニング店、洋服店など様々な業種のお店にも大きな影響がありました。洋服店で野菜や花を売って業態を変えながら、必死に生き残りをかけている所も見受けられました。

売り上げが落ち込み、先が見えず、倒産でなくても廃業をしたお店も少なくありません。

もらえるはずの休業補償がもらえない、情報が得られない、給付金の書類が難しい、なかなか給付金が来ない、など本当にたくさんの方が困っていました。

今や4割と言われる非正規労働者、特に女性やひとり親世帯、若者の貧困状態がありました。

リーマンショックとは違う様相となっています。

 

緊急事態宣言が繰り返し出される度に、様々な困難が生まれ、また深まりました。コロナ禍の前からあった困難も、それまでは何とかなっていたものが、なんともならなくなり、可視化することとなりました。

コロナ禍で生活様式も変わり、様々なストレスで新たなハラスメント、虐待やDVも増え、心を病む人も増えています。先ほども述べましたが、自殺が増え、特に女性の自殺、子どもの自殺が増えました。社会的弱者ほど、声が挙げらない構図が明らかとなっています。

まさに、底が抜けた社会となってしまいました。ここに力を入れ、制度の隙間に落ち込む人をすくい上げる支援が必要でした。

 

そんな中で特異だったのが、再開発についての予算です。

大山のクロスポイントについて、先日の決算総括質問で取り上げましたが、納得のできる答弁は一つもなく、答えられないものもありました。

コロナ禍の中で様々な苦しみや困難を抱える人が多い中、大山のクロスポイントは、前年比 792、4%の伸び、そしてこれはコロナ対策とは関係ない予算です。

また、民間の事業と言いながら、事業費の44%が税金です。約半分に税金が使われているのに、民間の事業と逃げないでいただきたい。

そして、他の予算はシーリングをかけていますが、これは全く逆の、けた外れの伸びです。

東京都は、2020年5月5日に東京都副知事が依命通達を出し、補助26号線の計画も先延ばしになっています。

補助26号線ができることが、計画の土台、基本になっていることで、クロスポイントの工事の工法が変わり、また土壌地下水汚染対策工事にも時間がかかり、竣工も約1年遅れる予定とのことですが、それに伴い工事の費用への補助がまた増えるというお応えでした。私たちの予算を、そんな簡単にどんどん「民間」のマンション建設につぎ込んでしまっていいのか、これは問題であると思います。当初計画が総額で166億円だったものが、いつの間にか約193億円に増えていることを、区は区民に説明をしていません。

これから、他の地域でも再開発の計画がありますが、これでは区民の皆さんが心配するのも当たり前です。

今後、並行して再開発が行われる中、計画に対する補助がどのくらいになるのか、区の緊縮財政を圧迫するのではと危惧します。

コロナ禍だからこそ、税金の使い方に慎重になり、もっと区民の痛みを感じ、弱者の視点に立って欲しいという象徴である事業です。

 

しかしながら、ひとり親世帯、また子育て世帯で経済的な影響の大きかった方へ補正予算をつけたり、中小の事業者への板橋区独自の支援など、様々な補正予算を考えて下さったことには感謝を致します。

また板橋区の福祉事務所のケースワーカーの方たちの寄り添う対応や言葉、また福祉事務所としての在り方には、民間支援団体の方から高い評価を頂いております。

 

昨年度から今年度にかけて、推測よりも低く抑えられた生活保護受給者の伸びは、今後コロナ禍が落ち着くと、社会福祉協議会の「緊急小口資金」、「総合支援資金」の返済が始まるため、返済できない人が出て、これから新たに生活保護受給となる人が一気に増える可能性があると指摘されています。今回、不用となっても、今後必要となる可能性があります。

今後もご配慮をお願いいたします。

2020年度はSDGsの誰一人取り残さないという目標のもと、真摯に取り組む区の姿勢が問われる1年でした。

再開発事業など賛成でき兼ねるものもありますが、区独自のコロナで自宅療養をしている方への複数の支援など、多くは区民に寄り添うものであったと考え、一般会計決算他3つの特別会計決算に賛意を申し上げます。

今後、専門家が指摘している第6波への対策が、区民により一層寄り添うものになるように期待します。

最後に、議案第5号「令和2年度東京都板橋区東武東上線連続立体化事業特別会計歳入歳出決算」については、先に述べた大山再開発クロスポイント事業同様、コロナ禍だからこそ、税金の使い方に慎重になり、もっと区民の痛みを感じ、弱者の視点に立って欲しいという象徴である事業です。

こちらは単独の会計ですので、反対を致します。

 

以上、議案第1号から議案第4号には賛成し、議案第5号には反対をして、

社会民主党の討論を終わります。