大山再開発関連の陳情の討論~「住民との合意形成」はしなくていい?

陳情第20号「板橋区画街路第9号線に関する陳情」

第4項 住民等合意の件、

陳情第72号「東京都市計画道路板橋区画街路第9号線ならびに東京都市計画道路区画街路都市高速鉄道東武鉄道東上本線付属街路第1号線~第6号線に関する陳情」 第1項

住民合意の件

陳情第103号 現在大山地区で進められている都市計画事業等について休止を求める陳情

に賛成し、委員会決定不採択に反対の立場から、討論を行います。
東武東上線の立体化は、区民の悲願であり、また板橋区議会として

も永年取り組んできたことです。

しかしこの「立体化」への取り組みは、「高架化」と限定したものではありません。地域からも「地下化」とする要望が出されていました。

しかし明確な議論もなされないまま、一方的に「高架化」と決定され2018年2月に報告されました。

また、板橋区画街路第9号線は実態は「道路」ですが「大山駅前ひろば」とし、東武東上線の高架化とともに2018年2月に計画案が発表されました。

その説明会に参加し、会場にいた区民のみが、初めて知ることができました。当該地域に住む当事者、また当該の場所で仕事をしている当事者でさえも、説明会に参加できなかった人は、計画案を知ることすら かないませんでした。

区は、まちづくりなどの会で「駅前ひろば」について話し合ってきたとしていますが、実際の場所を決定したのは板橋区であり、当事者等には、なんら打診もされないままの、説明会当日の発表でした。

鉄道の高架化に伴う沿線住民への影響においてなども、今年2月の説明会などで初めて知ったという方がたくさんいるという現状です。

このような中に、ある日突然身を置くことになった人が、

「計画を進める場合、地権者、住まいを構える人、商売をしている人、大山駅周辺を利用している人の合意が得られるようにすること」

「計画を進めるにあたっては十分説明を行い納得と合意の上進めるように区に意見してください」

と願うのは、当たり前の事です。

議会は、行政のチェック機関であることが基本であるにもかかわらず、一方的な行政の計画に対し、住民等との合意を求めている区民の陳情を、区議会が不採択にすることは、行政がこれからも一方的に区民が不利になる計画を立てても良い、という御墨付きを与えかねないと、深く憂慮します。

住まいは人権です。個人の権利をないがしろにする板橋区の計画は認められるものではありません。

区民が「合意」を求めるのは、当たり前の権利であり、その権利を守ってほしいと陳情を出さざるを得ない状態にあることこそ、異常な事態であると言わざるを得ません。

現に、6月の都市建設委員会の中での陳情第103号の意見開陳の中でも、陳情に反対した会派の委員からも「住民の合意は必要」であることが強く説かれています。

また、5月5日に東京都副知事が出した依命通達にしても、ここでどのようにこの依命通達を考えるかは、行政と区民、特に当事者とが本来丁寧に話し合い、区は理解を求めることが必要であると考えます。

コロナ禍により、区民の生活は不安定となり、不安な中にいる人もたくさんいます。1か月後、仕事を続けていられるだろうか、と不安な中にいながらも、必死に仕事をしている人もいます。

本来ならば行政がその不安に寄り添うべきですが、再開発により、その不安をさらに大きくしかねない状態を作ることは、本末転倒ではないでしょうか。

補助26号線は戦後まもなく作られた計画であり、当時と今とでは、大山や周辺のまちの事情も大きく変わっています。
そして今、コロナ禍において、私たちの生活を見直すことが問われています。70年以上も前の計画だけが粛々と進められること自体が疑問です。

このコロナ禍をどう乗り切るか。10年後、20年後よりも、これからの1週間、また1か月、1年をどう乗り切るかが不安な状態にある区民がたくさんいます。予算は区民が納めた税金です。コロナ対策の補正予算を幾重にも組むことが求められている事態を、どう考えるのでしょうか。まさに、フェーズが変わっているのです。

それなのに、何ら議論もないまま、巨額な予算を再開発に投じることは、優先順位が違うと言わざるをえません。

今だからこそ、一度立ち止まって考えることが求められています。

まさにこの陳情は、板橋区が、そして板橋区議会が何を大切にするのか、コンクリート事業なのか、それとも区民の暮らしなのかを問うているものです。

よって、これらの陳情には賛成をし、委員会決定不採択には反対をいたします。