2020年度予算案に反対しました~討論~

【はじめに】
新型コロナウイルスの感染によりお亡くなりになられた皆様に、
心から哀悼の意を表します。
また、治療中の皆様には、一日も早いご回復をお祈りいたします。

そして、新型コロナウイルスの感染の広がりを食い止めるために、
最前線の医療現場をはじめ、様々な場所で、日夜対応してくださっている日本の、そして世界中の皆様に感謝を申し上げます。

本日は第一回定例会の最終日、
2020年度予算の討論を致しました。
以下が私の討論の内容です。

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市民クラブを代表して、

 

議案第1号 令和2年度東京都板橋区一般会計予算

議案第2号 令和2年度東京都板橋区国民健康保険事業特別会計予算

議案第3号 令和2年度東京都板橋区介護保険事業特別会計予算

議案第4号 令和2年度東京都板橋区後期高齢者医療事業特別会計予算

議案第5号 令和2年度東京都板橋区東武東上線連続立体化事業特別会計予算

議案第35号 令和2年度東京都板橋区一般会計予算に対する修正動議

 

に反対の立場から、討論を致します。

 

内閣府が2月20日に発表した月例経済報告は「景気は、輸出が弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増した状態が続いているものの、緩やかに回復している。」と言うものでした。

しかし、内閣府の発表とは裏腹に、日本経済の落ち込みは、生活する者、また中小企業経営等にとっては、消費税が10%に上がる以前から肌感覚として感じており、消費税が10%となってからは、更に強く感じるものとなりました。大企業とまちの中小企業との格差は、ますます広がり深刻なものとなっています。

そこに、さらなる打撃を与えたのが、新型コロナウイルスです。

25日現在で、世界で累計40万人以上が感染したと伝えられ、WHOもパンデミックを宣言しています。

 

この夏のオリンピック・パラリンピックも、1年程度の延期が決まりました。板橋区の予算案の中にもオリンピック関連の予算もありますが、全国的に大きな影響があることは明らかです。

 

また、2月27日に安倍総理が突然 小・中・高等学校の臨時休校を要請して以降、急激に経済が落ち込んでいます。

 

国際通貨基金IMFも、3月23日2020年の世界経済が「マイナス成長に陥る」との見通しを示しました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う深刻な景気悪化は、リーマンショックの2009年以来、11年ぶりのマイナス成長は避けられないとの危機感を表明しています。

 

また昨夜、小池東京都知事は、今週末の不要不急の外出は控えるようにとの発言もし、都市封鎖にも言及しています。

 

命にも関わる感染症への危機管理、そしてリーマンショック以上と言われる経済的危機にまっこうから取り組むことを求められるのが、2020年度であると考え、その深刻さと問題の大きさを痛感致します。

極めて厳しい財政運営となることが予想されますが、さらに厳しいのは区民の生活です。

2015年議決された板橋区基本構想には、10年後の9つの「あるべき姿」が描かれています。その8番目、防災・危機管理分野の「万全な備えの安心・安全」ビジョンの中には、「新たな感染症などによる健康危機への対策が充実し、区民の健康に関する安全と安心が確保されています」という姿が描かれています。まさに、この新型コロナウイルスという健康危機への対策に取り組み、乗り越えることに ほかなりません。

SDGsの「誰一人取り残さない」という目標のもと、真摯に取り組む区の姿勢が問われる一年ともなります。

以下、予算案に対し意見を申し上げます。

 

はじめに歳入についてです。

当初予算案の一般会計の歳入は、地方法人課税の税制改正の影響を受け、特別区交付金は41億円の大幅な減収となりました。

また、2018年度 9億4000万円の減収となったふるさと納税は、2019年度は12億8000万円の減収となり、さらに大きな影響を与えています。板橋区への納税を理解してもらうためにも、区民の納得を得られる政策がますます大切となります。

また、地方法人課税の一部国税化、地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税などの不合理な税制の改善を特別区長会などとともに、国に強く働きかけることを求めます。

特別区税は、納税義務者の増加などにより5億円の増収を見込み、また財政調整基金から50億円、また学校施設の改築、改修などに充てるために、各基金から37億円の繰り入れをし、当初予算案の一般会計の予算規模は2219億1000万と、前年度予算に比べ、56億円、2、6%の増となっています。

 

一方、幼児教育・保育の無償化への対応やマイナンバーカードなど、現場となる自治体への負担が国により一方的に決められ、重くのしかかっており、マイナンバーカードにおいては、2014年度~2019年度までに約23億円の持ち出しとなる見込みとなり、2020年度は新たに約4億8000万円の持ち出しをすることになります。
その持ち出し分の補償については、国に強く求めるべきです。

また国や都ではさまざまな補助金を交付する事業を設けています。区としても、この補助金を活用し、区民や民間事業者の協力を得ながら、必要な取り組みは積極的に取り入れて頂くことを求めます。

 

次に歳出についてです。

板橋区基本構想では「安心・安全で快適な緑のまち」が、3つの基本理念の1つとして掲げられてます。近年の日本各地での大地震や風水害、また昨年は相次ぐ台風被害があり、台風19号ではぎりぎりのところで荒川の氾濫を免れました。板橋区は区民の命を守るために何を学び、そこから2020年度の予算にどのように反映したのかが、防災・減災をはじめとする、一番の基本である区民の命を守る施策として改めて問われます。

 

防災・減災はハードの面も大事ですが、災害が大きければ大きいほど、ソフト面が重要になります。ここでも共助が大切です。例えば避難所運営において、など、やはり職員の存在はとても大きいものとなります。

現在、正規職員の定数は3598人、10年前の2010年においては3535人でした。
しかし、人口を見てみると、10年前は53万6778人、2019年4月1日では56万8721人、2020年1月1日現在は57万1357人と増加しています。

職員一人に対しての区民の割合も増えています。災害時の業務は平時とは比べ物になりません。こなしても こなしても業務は山積みになります。

板橋区は人口推計をもとに基本計画を策定しており、その人口推計による人口のピークが10年後ろ倒しになり、今年2020年から2030年と見直しを行っています。それとともに、約3、2万人上振れする見込みとなっています。人口減少社会と言われながら、25年後の2045年の人口ビジョンは、今年の1月の人口より約1000人多くなっています。

今はまだ人口は増え続けています。その時に正規職員を減らすことは、対応が追い付かない可能性を生みます。災害時に予測できることへの対策を取らないことは人災です。正規職員の確保が急務です。

防災・減災のハード面では、各会派が求めてきた全区立小・中学校の屋内運動場への冷暖房機の設置の決断は、高く評価いたします。しかしこの決断も、いざと行う時、電源がなくては使うことができません。

電力の充実として可搬型LPガス発電機とLPガスボンベを配備し、30時間以上の電源を確保しますが、これは情報収集、発信ができる環境を整備するということでは評価致しますが、この電源を冷暖房の電源として使うことはできません。

今まで学校施設に太陽光パネルを設置してきましたが、それによって冷暖房機などの電源が確保できるシステムにもなっていません。2017(H29)年度に「板橋区らしいスマートシティ」認定プロジェクトとして進められてきた、地産地消エネルギーの区内企業が学校へ災害時にも使える蓄電池を設置する計画は、区議会に詳しい説明もないまま、今年度で予算が打ち切られています。

先に挙げた「万全な備えの安心・安全」というビジョンは、2025年にあるべき姿を目指していますが、半分の5年目を迎える2020年度だからこそ、根本的な課題を見つめ取り組むことが必要ではないでしょうか。

 

一方、エコポリス板橋の実現に向け「緑と環境共生」ビジョンを板橋区は掲げています。2020年度の予算の中でもスマートシティの実現に資する取り組みを掲げています。それならば地域の中で脱炭素社会の実現に取り組む区内の民間活力と連携して、地域エネルギーの地産地消と防災を結び付け、避難所となる学校での平時からの再生可能エネルギー確保に取り組むなど、様々な技術をもつ中小企業を活かし、板橋区ならではの、命を優先するための安心・安全への取り組みを進め、かつ、脱炭素社会を目指す鳥の目を持った政策とすべきではないでしょうか。先に挙げた中小企業やベンチャー企業の、いわば「虫の目」を大切にして、虫の目と鳥の目の両方を併せ持つ官民連携で進めることこそ、これからの時代のスマートシティであると考えます。

また、「(仮称)板橋区地球温暖化対策実行計画(区域施策編)2025」の策定をするとしていますが、是非 世界と歩調を合わせ、板橋区も「気候非常事態宣言」をし、総合的かつ計画的に取り組み、SDGsの目標へと近づくことを求めます。

 

次にまちづくりについてです。

予算は区民の納めた税金です。また、SDGsの目指す持続可能なまちづくりは、住み続けることができる街でもあります。

東武東上線連続立体化事業特別会計予算が関連する東武東上線大山駅前広場計画は、説明会に参加して初めて、自分の家や職場のある場所が計画案の中で立ち退きが必要な場所として発表されたものでした。説明会に参加していない人は、自分の家や職場が対象となっていることさえ知らず、多くの方が納得ができず、合意形成がなされないまま、昨年の12月の都市計画決定となりました。

その計画に、自分が納めてきた税金が、基金として積みあげられ、納得ができない計画のため、自分の家を壊すために使われることは、当事者である区民からすれば、区への不信は募っても、税金の使い方として納得ができるものではありません。

東上線の高架化による、東上線南側にある住宅への影響も、2月の用地測量説明会で初めて知ったという区民もいます。ここでも合意のない強引な計画遂行であることがわかります。

大山駅前広場は区の単独事業です。感染症の不安が広がる中、さらに自宅を失う不安まで区民に与えることに税金を使うことには反対です。

また、大山町クロスポイント周辺地区に対しても「まちづくり事業に係る経費」として10億7250万の税金が計上されています。民間の事業といいつつ、多額の税金が使われています。それだけ板橋区にも責任があるということです。

リーマンショック以上と言われる経済的打撃の中、再開発事業だけが粛々と進むのでしょうか。さらに街の賑わいを失うことにも成りかねません。大山の再開発については、再度区民の意見を聞きながら、計画を見直すよう求めます。

同様に、JR板橋駅前の再開発事業について、上板橋南口駅前地区のまちづくりについても、民間主導といいつつ、それぞれ約2億1400万円、約7100万円と多額の税金が予定されています。賑わいのある街の形成、また十分な合意形成をはかったうえでの計画となるよう、区は責任を果たすことを求めます。

また高島平グランドデザインにおいては、2020年度は専門家を会議体に呼ぶための講師料と、都市再生実施計画策定を外部コンサルタントに委託するための予算がついています。
しかし2016年から2018年度までの3年間でも約5300万円をかけた高島平アーバンデザインセンターUDCTakの結果、まちの風景はどう変わったのでしょうか?アーバンデザインセンター方式を取り入れるのであれば、真に住民の声を活かせる仕組みとするためにまず事業の「見える化」が必要です。高島平のまちに拠点を持つこと、地元の専属スタッフを置くこと、これまでの計画を小さくとも事業として形にすることにこそお金をかけるべきで、机上の専門家への報酬にだけ予算をつけるやり方には、賛成できません。

次は、常盤台地区、前野地区、富士見地区、および本庁舎周辺・大山東地区の公共施設の配置検討(エリアマネジメント)についてです。

区民にとっては、自分の居住する地域での活動の場となる区有施設が廃止されるなど、大きな問題となっています。先ほど上げた人口推計においても、板橋区の人口はまだ増加し、25年後でも、今より多い推計となっています。今 以上に高齢者が増加すると推計されていますが、板橋区は元気高齢者を増やすことを目標にしているのではなかったでしょうか。

高齢者は様々なことに関心を持ち、出かけて行くことが大事と言われます。出かけるために、時間管理をし、身だしなみを整え、目標をもつことで張り合いができます。そのためには集まる場所が必要です。区は自らが目指している目標を、自ら否定してしまうことになり、矛盾があるのではないでしょうか。

また、区民がさまざまなことに関心を持ち学び合い活動することは、地域の力や自治の学びにもなり、区にとっても貴重な資源です。

まちづくりは建物を新たにすることだけではありません。そこに住む人が中心にならなければ、まちづくりとは言えません。区の方向性を一方的に説明されても、それは「報告」でしかなく、区民の意見は既に反映されないのでは、やはり合意なき「まちづくり」がここでも強引に行われていることにほかなりません。区民の声を聞き反映させる区政を求めます。
「まちづくり」はトップダウンではなく、住民が主役のボトムアップで形作るものです。ただ役所の方針に「誘導」するのではなく、さまざまな立場、世代の住民による活発な議論のもと、住民自治を最優先とした地域づくりを求めます。

そして、東武東上線立体化の2番目となるときわ台・上板橋駅間においても、今から時間をかけて、沿線の住民が自分たちのまちをどのようにしたいかを考えられるようなワークショップを重ねていく環境を整備することを求めます。

 

次に「(仮称)板橋区子ども家庭総合支援センター」についてです。
板橋区が児童相談所を設置することに、深く感謝いたします。
災害や非日常の時ほど、子どもにしわ寄せが行きやすくなります。板橋区独自の児童相談所開設に向け、国連の「子どもの権利条約」を理解することが大切です。そのためにも、板橋区においても「子どもの権利条例」の策定を求めます。子どもの権利の理解なしには、あり得ません。
また、板橋区では初めての24時間体制の施設となります。2020年度は開設に向け、いよいよ建設工事に着手します。先日、野田市の児童虐待事件の裁判がありましたが、虐待を受け、苦しんでいる子どもは、程度の違いこそあれまだまだいます。板橋区においても、虐待相談は増加しています。声なき声があります。
子どもたちが健やかに成長できる環境と保護者への相談体制を整備し、関連機関の連携による支援を充実させることによって、子どもたちが一時保護を必要としない心豊かな子ども時代を送ることができるように求めます。
また、資格をもつ職員を確保することが必要ですが、子どもたちが過ごす一時保護の場でも、豊かな経験のある職員が長く働くことが出来る処遇を確保することが、子どもたちの支援にもつながります。
限られた時間の中ではありますが、子ども達への切れ目のない対応ができるよう制度や体制の充実を求めます。

 

待機児対策では、これまでの取り組みで改善傾向にあること、また3歳での小規模保育園や家庭福祉員などから認可保育園等への連携を進める取り組みについては評価します。人口推計では子どもの人口はまだまだ増加します。幼児教育無償化で保育園、幼稚園を取り巻く環境が大きく変化する中で、子育て世代の需要を地域ごとに丁寧に掴みながら、多様な子育てを選択できる環境整備に向けて一層取り組むことを求めます。

 

次に、保育園の民営化については、我が会派は一概に反対するものではありませんが、民営化にあたってはそこに通う子どもと保護者の理解と合意形成が前提です。2020年度予算には、区立やよい保育園民営化に関連して弥生荘を解体する予算が組み込まれていますが、やよい保育園については陳情が継続審議中で、区としての計画もまだ示されていません。その中での予算は判断できる状況になく、解体ありきで進めることに賛成することはできません。

 

次に、国民健康保険事業特別会計予算についてです。
国民健康保険は、現在セーフティネットの機能を果たす制度へと変化しています。高齢者や低所得者、働いていない方など社会的弱者と言われる方の加入も多くなっています。
一人当たりの保険料も他の健康保険料と比べて負担が重く、収入のない子どもにも保険料がかかります。特に多子世帯では負担が大きく、板橋区も多子世帯への負担の認識はお持ちです。
自治体ごとに独自の対策を取ることもできるはずですが、それがなされていません。

 

次に、介護保険事業特別会計予算についてです。
2020年度は介護保険事業の第7期の3年目です。保険料は上がるものの、ますます使いづらい制度となっています。介護をする家族をしっかり支えつつ、介護に携わる方の処遇改善もまだまだ必要と考えます。

後期高齢者医療制度についても、社会保障に係る高齢者の負担が増えています。
国民年金をはじめ、老後の生活の頼りとする年金の額も下がり、特に女性の単身世帯、国民年金での生活で困窮に陥ることが問題となっています。超高齢者社会がますます進む中、このままでは問題がさらに広がることを懸念致します。

 

議案第35号一般会計予算に対する修正動議については、弱者の視点に立つ我が会派としては、賛同したいと考える項目も多いものの、さらに検討し精査したい項目もあるため、なお今後も引き続き考え深めたいという思いもあるため、今回は反対をいたします。

 

最後に、永年にわたり板橋区の伸長発展にご尽力された 堺 政策経営部長、椹木 福祉部長 をはじめ、156名の職員の皆さまが本年3月をもって ご退職をなさいます。永年のご尽力に心から敬意と感謝を申し上げるとともに、今後のご健勝をお祈り申し上げます。

以上で市民クラブの討論を終わります。

 

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