1、大山再開発について
9月12日の都市計画審議会において、大山駅前広場の都市計画決定について、案の通り決定することについて異議のない旨の答申がなされました。
昨年2月に計画案が発表され、当事者である地権者も寝耳に水、発表・説明会に参加していない人は、自分の家に計画がかけられ、立退きを迫られるようになることさえ知らない状態でした。
それが1年半後には、あっという間に都市計画決定されてしまうという、あまりにも強引で、当事者置き去りのままの区の決め方には、強く抗議を致します。
「区民と寄り添う」と言いつつ、代替地も示さず、まだ何の補償も提示できず、決まってもいないまま、区民の生活の基本である住まいを取り上げようとする区の政策には憤りを禁じ得ません。「住まいは人権」です。区民の人権をないがしろにする区の姿勢は、「誰も置き去りにしない」をモットーにするSDGs全国8位という評価とは、あまりにもかけ離れすぎています。
板橋区が審議会の中で開示した意見書は、東武東上線の立体化案に対しては、総数805通、うち意見47件、799名、2団体、 大山駅前広場計画に対しては提出者858名3団体、871通、意見項目90件と、1600以上にもなりました。12月14日から2週間という年末の一番忙しい時期での提出です。これは特筆すべきことです。
その意見書は「反対」「地域住民の意向が反映されていない」「地下化を求める」「配慮が足りない」「必要性が理解できない」「再考されたい」また、計画そのものへの困難の指摘など、反対意見ばかり。
「賛成、早く進めてほしい」というものを見つけることは できませんでした。まだまだ地権者のみならず、多くの方がこの計画に納得をしていないことを示しています。
また、都市計画審議会は傍聴者が30人定員ですが、12日の審議会では傍聴者が入りきれませんでした。このことも、区民の強い関心の現れです。
その審議会の中で、「まだ結論を出すことができる状態ではないため、結論を先送りにする」という動議が出されました。その動議への審議委員の意見は、賛成8、反対8と可否同数。
議長決済で反対が9となり、結局、採択がなされました。
しかしながら、審議会の中でこの大きな判断をする際に、審議委員からは「まだ結論が出せる状態ではない」と、これだけ明確な意思表示がなされたということを、板橋区は重く受け止めるべきです。
採決を取る時に、傍聴していた多くの方が「計画に反対」と意思表示をし、10人以上の方が退場となりました。「家を取り上げられる者の気持ちを考えて」という悲痛な声があがりました。
1、そこで伺います。区民の皆さんが、このような形で意思表示せざるを得ない状況にまで追い込まれてることを目の当たりにしても、板橋区は何も感じないのでしょうか。区民がそれだけ切羽詰まっているということが、わからないのでしょうか。こんなにも区民を苦しめ、また不安にさせている板橋区の計画の進め方には、反省すべきことがあると思います。それとも、なんら反省すべきことはないのでしょうか。
板橋区としての見解をお聞きいたします。
2、東武東上線の高架化をするにあたり、側道が必要になりますが、37軒の方がその対象となります。
しかしながら、1軒ずつには未だに説明がなされていません。
ある方が、この37軒に該当する方とお話をしたところ、全くご存知なかったとのことです。
このような状態で都市計画審議会で決定をしてしまうことは、住民不在のまま計画を立てたことで、今もなお不安の中にいる大山駅前広場計画の当事者と同じように、不安を抱える方を更に増やすことになり兼ねません。
区民が安心して暮らせるようにすることが、自治体としての責務です。
「都市計画を進める順番だから仕方がない」、「犠牲はつきものだ」と切り捨てるのではなく、また、本当に「寄り添う」のならば、板橋区としてできることがあるはずです。区民不在、区民を置きざりにする計画は、信頼を失うばかりです。
11月20日の東京都の都市計画審議会において、東武東上線の高架化が話し合われます。
対象となる側道にかかるとされる37軒の方々には、これからどのように説明するのでしょうか。
3、東武東上線 成増までの全線立体化は、板橋区の悲願です。
都市計画審議会の東武東上線立体化の審議の中で、東京都の審議委員の方から、環状七号線、環状6
号線(山手通り)については、既に立体化されていると理解している旨の発言がありました。
大山駅周辺の立体化の次は「ときわ台・上板橋」間の立体化とされていますが、先の発言を考えれ
ば、途中の中板橋前後はこの先も変わることなく、今のままであると理解せざるを得ませんが、板
橋区の考えも同じでしょうか。
4、ハッピーロードのアーケードが170mにわたって除却され、クロスポイントができます。
そこには、2棟の90mを超す超高層ビルができ、20数階のビル、10数階のビルが建つ予定です。
マンションの床面積が多くなれば、それだけその地域の人口が一気に増加します。
また、再開発を当て込んで、近隣にも新しいマンションが建つことになれば、さらに人口は増えます。
板橋区人口ビジョンでは、2030年がピークです。
また、この地域は板橋第六小学校、板橋第一中学校のエリアとなっており、両校ともこの先の生徒児童数は増え、現在推計が出されている2025年まで増え続ける予測となっていますが、この地域に大規模なマンションができることにより、子どもの人数は更に急激に増加することと予測できます。
大山小学校も閉校しています。
その時になって、教室が足りない、区域変更しようにも、周りの学校も定員がいっぱいだ、などと言ってはおられません。
子ども達の学ぶ環境を保障するのは教育委員会の仕事ですが、この地域に新しい学校を建てることも難しいと思います。
また、マンションを購入するということは、夫婦共働きをすることにつながります。
保育園の確保も必要となります。
街は建物だけ建てても街づくりにはなりません。区は、これから10年先の大山の急激な街の変化をどのように考え、また、持続可能な街づくりをするための、庁内の横の連携を取っているのでしょうか。
将来の局所的な人口増加が予想される中で、公共インフラの追加投資が新たに必要になる可能性もありますが、どのようにお考えでしょうか。お答えください。
5、大山の再開発では、たくさんの建物を解体することになります。
アスベスト最大の発生源は解体源は解体現場。環境調査では4割超で漏えいとのニュースもありました。
これだけ広範囲で長い期間をかけての再開発となると、それだけ徹底した対策が必要です。
これまで規制の対象外だった形成板やタイルなどにも飛散防止措置を義務付ける方向で、国は法改正に向けた検討を進めています。商店街の周りは住宅街です。安心して住み、買い物をすることができる大山とするためにも、民間任せにせず、また都にも働きかけて、区が率先してしっかりとアスベスト対策に取り組んでほしいと思います。見解を求めます。