予算に対する討論 ~反対討論をしました~(録画あり)

春の日射しの中に、桜が美しく輝きだす季節となった
3月24日、2022年度(令和4年度)予算に対して討論を致しました。

以下、その内容です。少々長いですがお読み頂けましたら幸いです。

録画はこちらで見ることができます↓(板橋区HPより)

http://itabashi.gijiroku.com/g07_Video_View.asp?SrchID=1096

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ただ今より、社会民主党が

議案第2号 「令和4年度東京都板橋区一般会計予算」

議案第3号「令和4年度東京都板橋区国民健康保険事業特別会計予算」

議案第4号「令和4年度東京都板橋区介護保険事業特別会計予算」

議案第5号「令和4年度東京都板橋区後期高齢者医療事業特別会計予算」

議案第6号「令和4年度東京都板橋区東武東上線連続立体化事業特別会計予算」

に「反対」の立場から、また、

議案第38号「令和4年度東京都板橋区一般会計予算に対する修正動議」

に賛成の立場から、討論をいたします。

 

2022年2月17日に内閣府が発表した月例経済報告の基調判断では

「景気は、持ち直しの動きが続いているものの、 新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、一部に弱さがみられる。先行きについては、感染対策に万全を期し、経済社会活動を継続していく中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、感染拡大による影響や供給面での制約、原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要がある。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある」

とされています。

3月の月例報告は明日25日発表となりますが、この間の世界的な大きな動きを受け、
2月とは内容が変わると考えられます。

思い返せば、新型コロナ感染症のパンデミックが広がる前には、消費税が10%となり、
すでに生活や、まちの経済に打撃を与えていました。その後、丸2年以上にもわたり、
新型コロナウイルス感染症は打撃を与え続けています。

そのコロナ禍に追い打ちをかけているのが物価の上昇です。
4月からの物価上昇が懸念されていましたが、そこにさらにウクライナ危機が加わりました。更なる原油高騰、物価上昇が指摘されています。
このような中、新しい年度は始まります。

板橋区は2022年度の予算を編成するにあたり、財政状況の好転は見込めず、昨年度の緊急財政対策の方針を継続していましたが、景気の回復基調により、特別区交付金が77億円 及び 特別区民税が20億4400万円と想定を超える回復となりました。

一般会計は前年度と比較して4%増の2297億9000万円、

財政調整基金からの繰り入れは20億1400万円となり、財源不足額は前年度比で44億円余が縮減される状態となりました。

昨年の未実施の事業、契約差金などを考え合わせると「実質的な黒字ではないのか」という旨のご指摘も、予算総括質問の中でありました。

「いざという時のため」と言われる財政調整基金は、このコロナ禍の中で積み増し続けられ、2021年度末の見込みの金額は約268億円と、2020年7月の約150億円に比べて100億円以上積み増しされています。
板橋区にとって、どんな時が「いざという時」なのかと疑問に思います。

 

これだけ税収が回復し、「いざという時」に使う財政調整基金は積み増すだけで使わなかった板橋区ですが、実際に生活する者、また中小企業は、まだまだ厳しい状況の中にあり、議会の中での説明でも、板橋区の200万円から550万円の収入にあたる人が、550万円以上、また200万円以下へと移動しているとの報告がありました。

これは、まさに経済格差が広がっていることに他ならないことを意味しています。
大企業と、まちの中小企業との格差はますます広がり、深刻なものとなっています。

今回予算について考える中でも、このコロナ禍の「いざという時」において、
経済を優先するのか、暮らしや命を優先するのか、
常に弱者の視点に立っているか、
この視点を今回も基本としてチェックいたしました。

 

地方自治法第1条の2には

「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として」(地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。)

とあり、法の最初に、地方自治体が住民の「福祉の増進」のための役割を担っていることが掲げられていることは、コロナ禍にあるからこそ、さらに大切な視点としながら意見を申し上げたいと思います。

3月21日で「まん延防止等重点措置」が解除されました。
しかし、すぐに景気が上向くとは思えません。

就労をしたくても仕事が見つからない人、クビになったわけではないのに、シフトを減らされ収入が激減している人も、まだまだ多いのが現状です。
ここで、様々な支援が切れてしまったら、例えば緊急小口資金、総合支援資金などの返済が始まります。

借受人と世帯主が住民税非課税相当であれば、資金毎に段階的に返済免除となりますが、東京23区で暮らす単身世帯の場合、非課税の目安は年収100万円です。
この金額より少しでも多いと返済することになりますが、返済できるものでしょうか。
生活保護の申請をして生活を立て直す必要のある方が、一気に増えるのではと思います。
その時に、受け止めることができる職員配置、体制はできているのでしょうか。

板橋区の福祉事務所は、法令順守に則り対応をすることで、民間の支援団体から信頼を
受け、評価を受けていますが、
この先、生活保護世帯が急増する可能性があることを、しっかりと踏まえた体制とすることを望みます。

また、来年度は、子どもの貧困対策担当係がなくなりますが、板橋区内の子どもの貧困は、なくなっているのでしょうか。
世帯の中で子どもだけが困窮しているなどありえません。
もし、そうであるなら、虐待やネグレクトの可能性があります。
生活保護がこれから急増する可能性があるということは、子どもの貧困、困窮が更に進む可能性があるということです。
そのための拠り所となる担当部署があるか否か、これは大きな違いです。自治体としてその部署を無くしてしまったことを、たいへん遺憾に思います。

また、いくら生活が厳しくても「生活保護だけは」といって生活保護を受けようとしない人もいます。「生活保護は権利だ」ということを、もっと伝え周知してください。

仕事をしていても、収入が減ってしまい、次の給料が入るまでをしのぐお金が足りないという人もいます。生活保護は受けなくても大丈夫だけれど、今すぐ必要なお金がなくて困っている人がいます。
先日の予算総括質問でも提案・要望しましたが、大変な時だからこそ、即決の小口貸付も必要となります。誰一人取り残さないための区政を求めます。

また、コロナ禍で、孤独が進んでいます。
新型コロナ感染症の対応で、長時間残業をしている保健所に、妊婦さんなどが気軽に相談できるでしょうか。たいていの人は、遠慮してしまいます。
しかし、妊娠・出産、子育て中の女性には、様々な孤独が生まれています。
自己責任として、自分を責めてしまっている人がいます。相談が必要です。
これは個別の対応で済む話ではありません。
どうして板橋区が児童相談所を創る決断をしたのか、改めて思い出してください。
未来の板橋を支える子ども達を支える意味も込めて、対応をお願いいたします。

女性の貧困が進み、特に単身女性は様々な支援からも抜け落ちています。
そして、女性の自殺も増えています。
家庭では、子どもへの虐待や性暴力も増えています。ストレスから、ある日突然いなくなってしまう子どもも増えています。コロナへの不安などから、不登校の子ども達が増えています。一人1台タブレットで学べるとはいえ、本当に必要なのは、人の繋がりです。

その時、深い問題を抱える人に寄り添うには、心身共にゆとりが必要になります。
保健所の体制はどうでしょうか。子ども達を預かる保育の現場、教育の現場、介護の現場、福祉の現場はどうでしょうか。人員の配置、正規職員の配置はどうでしょうか。

子ども家庭総合支援センター、児童相談所の開設は、ほんとうに嬉しく、設置を決めた
区の英断に感謝致します。これから、子ども達に信頼され、頼りにされる施設にしてほしいと、切に願いますが、そのための工夫や取り組みをしっかりとお願いいたします。
また、「子どもの権利条例」を作るべきです。
依るべきものがあって初めてより良いものとなると思います。
また、施設で働く職員のみなさんが、安心して子どもたちと繋がることができるよう、
職員の配置や処遇への配慮をお願いいたします。

何をするにも、人員体制が大切であることを思います。
来年度は職員定数が増えるとはいっても、新たに子ども家庭総合支援センターの開設が
あり、その職員の人数が必要なこともあり、まだまだそれぞれの現場での職員は不足しています。

仕事が常にあり、配置が必要だからポストがあるにもかかわらず、そこに会計年度任用職員を始め、非正規職員を配置するというのは、同一労働同一賃金の考えとしても、おかしいのではないでしょうか。
今の東京都の最低賃金は1041円、それに対して現業の職場では、最賃よりわずか9円上回るだけの1050円となっています。責任ある仕事です。
また、過去には最低賃金を下回りそうになったこともあり、ぎりぎり回避した経緯もあります。あまりにもお粗末ではないでしょうか。
また、会計年度任用職員の多くが女性です。会計年度任用職員は、お小遣いを得るために働いているのではなく、生活をするために働いています。報酬時間単価の改善をし、正規職員との均等・均衡をはかり、報酬の在り方について早急に改善をすることが必要です。
区自らが不安定雇用のワーキングプアの女性を生み出すようなことは、しないで頂きたいと強く申し上げます。

また、昨年秋の決算総括質問の中で、
「人手が足りず職員の超過勤務が続いたが、人手が足りないことすら伝えられなかった」
という由の答弁がありました。
この教訓は、今回の職員定数にどのように活かされたのでしょうか。
コロナの第7波もささやかれ始めています。
その都度、他の部署からの応援体制で補っていると聞きますが、応援体制のために職員が
割かれ、年度途中で欠員が生じる現状に対し、人員体制を保障することが必要です。
欠員がでても部署内の仕事量が減るわけではないと思います。そうなると働き方改革とも違う方向に向かうことになると危惧します。

また、政府が進めるコロナ克服・新時代開拓のための経済対策の公的部門(保育など)における処遇改善事業の実施も、すべきだと考えます。
関係府省からも実施要綱が出されています。
コロナ禍の中でケア労働者は現場で踏ん張って来ました。ケア労働者の収入を引き上げることが、人材の確保と育成にもつながり、それは板橋区民のためにもなることだと思います。正規職員も含めてのケア労働者のさらなる処遇改善を求めます。

さらに、先日は東北で震度6強の地震もありました。
最近、大きな地震や遠くでの噴火のために津波などが起き、災害についても気を抜くことができません。現在のコロナ禍も災害級のパンデミックです。災害時も区の職員は本務業務だとしていますが、これが複合の災害となっても大丈夫なのでしょうか。
災害やパンデミックで職員が手が回らなくなることの予想がつきながら、対応しないでいることは、人災です。
正規の職員の人数を増やすことを望みます。

また、現業の新規採用がなかったり、若い職員が入らないため、職場の平均年齢が高く
なっていることを、どのように考えるのでしょうか。若い職員の採用をして、仕事の技術やノウハウをしっかりと引き継いでいく環境を作るよう改善をすべきです。

先ほども述べました新型コロナウイルスの感染拡大に伴う深刻な景気悪化は、リーマンショックを超える経済の落ち込みとなりました。
今や4割と言われる非正規労働者、特に女性やひとり親世帯、若者の困窮が深まっています。
例えば、2008年末リーマンショック後の年越し派遣村では、505人の相談者のうち女性はわずか5人。
それに対して、2020年~2021年の年末年始に行われた「年越し支援・コロナ被害相談村」の参加者344人のうち、女性は約2割でした。
ここからも、女性の生活困窮が明らかに急増していることがわかります。
コロナ被害相談村に訪れた女性からは
「セーター1枚を欲しかったが、男性の支援員には言い出せなかった」
という声が聞かれたそうです。
支援の現場にもこのようにジェンダーの配慮が必要です。他の事業も同様です。
以前から申し上げておりますが、まずは、女性管理職を増やし、女性の視点を入れて行くことが必要です。男性だけでなく、女性の視点も入ることで、区の行う施策がより深みが増すと期待しますが、この点での板橋区の前進が見えません。
もっと女性の管理職が育つ職場環境を整えてほしいと思います。

また、パートナーシップ制度に向けて検討・調査に入ることについて、歓迎します。
しかし、制度を作る前に理解を拡げることが大切です。
ダイバーシティ・インクルージョンを掲げる板橋区として、男女共同参画はもちろんのこと
1人ひとりが、ありのままの自分でいることができる板橋を目指してほしいと願います。

次に、再開発についての予算です。
来年度は、いよいよ危惧していた複数の地域の再開発が全て動き始めます。
コロナ禍の中で、様々な苦しみや困難を抱える人が多い中、再開発は進めること、私は疑問に思います。

・大山町クロスポイント周辺地区再開発には、8億1880万円

これは民間の事業と言いながら、事業費の44%が税金と指摘されています。

・大山地域まちづくり推進には、1億1263万9000円

・大山町ピッコロ・スクエア周辺地区再開発には、2億9943万5000円

ここには区民の財産の区有地や都有地があります。
その使い方をもっとしっかり区民に示して行くことが必要ですが、それがなされないまま
計画を進めることは、不信を招くばかりではないでしょうか。
そもそも建物の高度化をはかるのであれば、土地所有者等にしか説明がないまま計画を
進めるというのは、おかしなことです。地域住民に対して何も影響がないとは思えません
ので、まずは丁寧に説明をするところから必要ではないでしょうか。
また、今これからタワマンを建てることの意味についても、それだけ集中してCO2排出を
することになりますので、区の計画と矛盾するものではないのか、など、さらなる検討や
区民への説明を求めたいと思います。

・板橋駅西口地区再開発には、3億4129万1000円

・上板橋駅南口 駅前地区再開発には 37億2005万円という予算がついています。

昨年9月の朝日新聞では、23区中一番税金が投入されるとのことで、68%にも上ると
の指摘がありました。

以上、再開発関連事業だけで、52億9221万5000円

これから、毎年この5か所の再開発で板橋区から予算が出て行くことになります。
一番多い時には、どのくらいの総額になるのか、今から心配になります。
この予算は、後で返されるから大丈夫なのだと言いますが、大事なのは、今、必要な予算
を、どう確保し、使うかということです。

例えば、今、お腹がすいている人が、おにぎりを買うお金もなく困っているのに、
「4年後にお金が戻ってきたら渡すね」と言われても、問題の解決にはなりません。
コロナ禍で疲弊し、困っている今、もっと区民に対して様々な形で支援する予算を考えるべきではないでしょうか。

また、クロスポイントでは、土壌地下水汚染対策工事に時間がかかり、竣工が遅れ、
それに伴い当初の計画よりも工事費用がいつの間にか増えていました。
一方、昨日の日本経済新聞では、ロシア発の資源高を受け、建設資材価格が急騰しているとの報道がありました。
ビルや住宅に使う鋼材を大幅値上げすると発表し、主要鋼材で13年8か月ぶりの高値水準となり、木材やセメントでも価格上昇が加速しているそうです。このまま計画を進めると、直撃を受けることとなり、その分またいつの間にか工事費用が増え、税金の追加投入も必要となるのではないでしょうか。

今後、複数の計画が並行して再開発が行われる中、計画に対する補助がどのくらいになるのか、後から戻ってくるとしても、一定期間は区が持ち出しをしなければならず、その時期がこのコロナ禍やウクライナ危機と重なることで、区の財政を圧迫し、本来使うべき区民のために予算が向かないのではと、たいへん危惧します。

コロナ禍だからこそ、税金の使い方に慎重になり、もっと区民の痛みを感じ、弱者の視点に立って欲しいという象徴である事業です。

コロナ禍のなかで、介護制度を使いたくても使えない人、家族への介護の負担が大きくなっているご家庭など、多くの方が介護保険料を払いつつ、利用できずに困っています。
年金生活の中で、収入は限られ、年々少なくなるにも関わらず、社会保障だけは値上がりして行く現実があります。
特に国民健康保険は、加入している方が個人商店(事業者)が多く入っていた昔と違ってきており、セーフティネットとする必要があります。子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、国により未就学児にかかる均等割保険料を5割軽減することと改正はされたものの、それだけでは不十分と考えます。

最後に議案38号の「一般会計予算に対する修正動議」については、区民に寄り添う内容の提案で、必要な内容であると考えます。

以上、議案第2号から第6号には反対し、議案第38号には賛成を致します。

最後にこの3月末でご勇退なさいます松田玲子会計管理室長をはじめ、117名の退職者の皆さまに感謝を申し上げ、討論を終わります。