2011年の東日本大震災の後、防災を学び続ける中で
初めて「スフィア基準」を知りました。
その中でも、男女のトイレの数についてですが、同数だから平等というのではなく、
男性の数を1とすると、女性のトイレの数は3にして、初めて平等になるというものです。
このことを知ってから、ずっと板橋の中でも言い続けています。
女性の身体のつくりからも、用を足すのに男性より時間がかかります。
また、並ぶことを躊躇して我慢すると膀胱炎になりやすくなってしまいます。
そうでなくても災害というストレスに加え、避難所での生活のストレスもあり
体調を崩しやすくなると思いますが、そこに膀胱炎が加わるのは、
復興に向かおうとする上でも大きなハードルになると思っています。
先日は、新しい中央図書館建設のフロア設計に関しても
意見交換会の際にスフィア基準の視点からトイレの数について申し上げました。
イベント開催時のトイレの設置でも提案したことがあります。
これに、「誰でもトイレ」の設置も必要ですね。
普段できていないことが、災害時という非常時にできるとは思えません。
普段のイベント時のトイレ設置でもスフィア基準を取り入れるなど
当たり前のこととして認識して頂けるよう周知・啓発することを要望してきました。
でも、まだ浸透していないというのが正直な感想です。
以下の議事録は、2013年2月(2012年度)の災害対策調査特別委員会の中でのやりとりです。
この時、板橋区では東日本大震災を教訓にして「地域防災計画」を大きく改定しようと取り組んでいました。
その中で、女性の視点を防災に活かしていくことに、私は取り組んでいました。
以下、備蓄の部分での抜粋です。
トイレの前には、ミルクなどについても触れています。
(熊本地震のあとは液体ミルクについても一般質問などで要望しています。)
2013.02.22 : 平成25年 災害対策調査特別委員会 本文より
http://asp.db-search.com/itabashi/
五十嵐やす子(222)
まずは10ページですけれども、ここに哺乳瓶ってあるんですけれども、ちょっと以前も申し上げたかなと思うんですが、哺乳瓶使って、それ繰り返しはそのまんまでは使えないんですけれども、どこにも消毒になるようなものがなくて、書いてないんですね。もし煮沸消毒するとしても、それ用にやっぱり大きいお鍋ですとか、別にきれいな飲み水以外にもお水を確保していないと、そういう消毒もできないんですけれども、あとは例えば哺乳瓶は大きくても中身を少なく入れれば、それはそれでいいんですけれども、そこにつける乳首が結局新生児と、例えば2歳ぐらいのお子さんで飲むのでは穴が大き過ぎると、小さい子は本当にむせちゃってもう飲めないので、その辺はどういうふうにしていらっしゃるかなと思ったんですが。
防災対策担当課長(223)
まず哺乳瓶の消毒に関しましては、災害時におきましては申しわけございませんが、煮沸消毒、これを前提としてございます。それ用の消毒に使用するための鍋、それからカセットコンロなども用意してございます。こちらを活用して消毒をしていただくと。
それから、乳首の問題でございます、これにつきましては今回の見直しの中で少し種類を、小さいものから大きいものまで一定量そろえるということで、今現在計画してございます。
五十嵐やす子(224)
はい、ありがとうございます。ちょっと安心しました。
それから、私がよく友達とか、ちょっと知り合いとか会ったときに、地震のときどこに逃げるとかちょっと話をするんです。そうすると、いろんな答えが違って返ってきて、うちの近所なので、「城北公園」とか答える人がまず一番多いんですね。次は近所の、例えば「平和公園」とか言うんですけれども、「逃げてその後どうするの、何もないよ」って、「えっ」とか、みんなそこで、「えっ」て始まるんですね。でも一応城北公園には、都の公園で災害用ということで、マンホールトイレがありますけれども、去年ちょっと調べさせていただいたときに、穴は東京都が掘るけれども、上物は区がとかって、だけれども、ちゃんと板橋区に東京都から連絡がなかったりとかして、あとは同じ城北公園内でも練馬区と板橋区が一緒に使うわけですので、上物の案分だとか、そういうのはまだ決まっていないということだったと思うんですけれども、あれから今までの中でどういうふうに決まってきたのかとか、あと都とどのようなやりとりがあったとか、その辺ちょっとお聞かせいただきたいんですが。
防災対策担当課長(225)
今、具体的に城北公園の練馬区側と板橋区側での話し合いということでございますけれども、これにつきまして広域避難場所の運営についての具体的なものについての協議というものは、今現在進んでいない状況にございます。
ただ、こちらは近くにもいろいろと区の避難所等ございますので、そちらのほうの備蓄をうまく活用していくということは考えられると思います。また、災害時でございますので、こちらの区のことは自分たちでやるから、そっちの区のことは勝手にやってくれということは起こらないというふうに考えてございます。それこそ助け合っていかないと、その端境にいる区民の方が困ってしまいますので、こちらにつきましては、ある程度臨機応変に相互に支援できるような体制でやっていきたいというふうに考えてございます。
五十嵐やす子(226)
それから、平常時は東京都の公園なので都が管理しているけれども、非常時いざとなったら、それは区がというふうに言われていますけれども、結局もしいろんなものを買ってその辺に備蓄するとなったときに、そういう管理とかは常日ごろは東京都がやっていて、いざというときには板橋区が鍵を使ったりとかする、前にちょっと東京都に聞いたときはそんなことを言っていたんです。結構、東京都だか話し合っていないのにいいのかな、そういうことを言ってというように感じた部分もあるんですけれども、その辺の連携というのが、やっぱりせっかくあるのに、いざというときに使えないというのが、トイレって本当に東日本大震災のときに向こうにいらっしゃった、たまたまいらっしゃったという知り合いの方なんかに聞いても、本当に食べなくてもやっぱり人間なので、自然にどうしても出るものは出るので、トイレは本当に大切だってしみじみおっしゃるので、本当にあるトイレが使えないというのは残念なことになるので、そこをちょっとしっかりと練馬とか東京都とか連携してほしいと思うんですけれども、どうでしょう。
防災対策担当課長(227)
まさに東京都のほう、先ほど私たちが言いたいことを委員のほうから言っていただいたんでありがとうございました。なかなか大きな枠での計画などは、書物等で出て私たちも知ることができるんですが、細かい事故につきましては、なかなかうまく情報が私どもにおりてこない、伝わってこないという背景もございます。そういったことを踏まえまして、少し情報収集に力を入れていきたいと思います。
また、トイレの問題につきましては、今委員がおっしゃられたとおり非常に大切な問題です。食べるのは我慢できても出るほうは我慢できないということもございますので、こちらにつきましては、他の食料等の備蓄物資と同様に大変重要な課題であるというふうに思っておりまして、こちらにつきましては災害時皆様が余り困らないような体制を構築していきたいというふうに考えてございます。
五十嵐やす子(228)
それから、ちょっと細かいとお思いになるかもしれないんですけれども、トイレを備蓄したりとか、非常時に発災時に用意することになると思うんですけれども、そのときに男性と女性で割合とかって、どのように今お考えでしょうか。
防災対策担当課長(229)
今現在備蓄しておりますトイレにつきましては、これは男女両方とも使える洋式の形でございますので、例えば避難されてきた人数等を見て、その場で臨機応変に、女性が多ければそちらのほうに重点的に配置すると。場所なんですけれども、男性と女性のトイレにつきましては設置場所を離しておこうというふうに考えてございます。というのは、プライバシーの問題もございますし、なかなか女性の方は、そういったトイレに入るところを見られたくないというようなところもございますので、そういった配慮が十分講じられるように避難所の開設、それからトイレの設置等につきましては配慮していきたいというふうに思ってございます。
五十嵐やす子(230)
はい、ありがとうございます。
ただ、その数なんですけれども、実はスフィア基準というのがありまして、それは世界的に、例えば国際的には合意された指針で、それで海外の災害時の支援現場で活用されている、そういうものなんですけれども、世界的にスフィア基準ですると、トイレの数というのは男女1対1ではないんですね、やはり使い方が違いますので。やはり男性が1だとすると、女性は3ないと足りないというふうに、そのように書かれているんです。なので、そういうのって平等だからいいってものではなくて、やはりそういうところまで、細かいんですけれども、ぜひお願いしたいと思います。
防災対策担当課長(231)
今、具体的に基準のお話と男女比1対3というお話し出ました。実際に私たち、委員の皆様もそうだと思いますけれども、大きなイベントがあった場合、もしくは高速道路のサービスエリア等で、なぜか女性のほうが多く長い列をつくってしまうと。どうしても女性のほうは男性よりも用を足すのに時間がかかると。これが今、委員おっしゃられたように大体3倍程度かかるというふうに一般的には言われているという背景があるそうです。花火大会のときでも、トイレの前に長い列をつくっているのは大体女性ということもございますので、そういったことも配慮しまして、今後避難所の運営に関しましても、トイレの運用マニュアルをつくっていく中で検討して、適切に皆様が利用できるような環境を整えていきたいというふうに思ってございます。
五十嵐やす子(232)
はい、ありがとうございます。日ごろでもちょっと言いづらいことなので、本当に発災のときとか、こういうことって言えないと思うんですね、女性のを多くしてくださいとか。なので、本当にあらかじめこうやって女性の意見、視点で取り入れていただけるというのは本当にありがたいことですので、どうぞよろしくお願いいたします。
こちらもご参考に
http://igarashiyasuko.jp/blog/2013/11/13/4612/