一般質問2‐②、命を守る防災について~2018年第一回定例会

(つづき)       

次に、東日本大震災が起きた時、「誰が逃げるのを支援したか」を調査したところ、1位は家族・同居者、 2位は近所、友人、 3位は福祉関係者、で60%以上を占め、4位の消防・消防団は、全体の4%ほどでした。

それだけ「自助・共助が大事だ」ということです。
その自助・共助の意識を高めるためにも、小さいころからの「防災教育」がたいへん重要になります。

1983年の日本海中部地震では、たまたま海に遠足に来ていた45名の子どもたちが津波に呑み込まれました。
海の近くに住んでいなくても、津波の教育は必要です。

また、地震も津波も想定通りには起きません。
東日本大震災の時の津波も、想定以上のものでした。

その津波から逃れた「釜石の軌跡」と呼ばれる子どもたちの避難も、
その前に、実際に「率先避難の訓練」をし、それも一度失敗し、
子ども達が自分たちで考え、再度挑戦をし、成功をするという実体験があったからこそのものでした。

とかく正常化、同調性のバイアスが働きがちですが、その時に自分の頭で考えて避難をすることが、自分の命を守ることにつながります。
⑧現在、板橋区で行われている 小中学生対象での「防災教育」はどのようなものでしょうか。
⑨各教科の中で、防災の意識を取り入れながら、例えば、津波の速さについては、
算数と体育を連携させたりなど、防災教育につなげていく、
まさに「主体的で、対話的で、深い」防災教育を意識的に取り組んでほしいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

 

⑩体の中でも、「頭」を守ることが大事です。
小学校の避難訓練、引き渡し訓練の際に、子どもたちは「防災頭巾」をかぶっています。
火事の時には、火の粉をはらい、クッションの役割もあることでしょう。
一方で、先生方はヘルメットです。
文京区や港区、横浜市では、ヘルメットが貸与されており、ヘルメットがスタンダードになりつつあります。
今は、折り畳み式のものもあります。
板橋区でも、大事な子どもたちの命を守るために、ヘルメットをプレゼントしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

 

台湾北東部の沿岸で、2月6日に起きた地震は、死者、負傷者を出し、
大きな被害をもたらしました。心よりお見舞いを申し上げます。

現地からのニュースでは、ホテルの1階が潰れ、傾くなど、建物の被害がとても目立ちました。
阪神淡路大震災でも、家が潰れ、また、そのために逃げられず、火事でお亡くなりになった方がいます。
熊本地震では、アパートの1階がつぶれ、学生さんがお亡くなりになりました。
まだ地震が起きていない「今」だからこそ、少しでもリスクを減らすことが大切です。
今リスクを減らせば、亡くなる人も減らすことが出来、復興のための費用も減ります。
事前復興という考え方です。

そのために必要なのが、「耐震化」です。

墨田区では、木造住宅耐震改修工事助成金を、介護保険でのバリアフリーの相談に
来た方にも勧めています。
簡易改修でも、5/6、 80万円までの助成がでます。
とにかく、いかに命を守るか、です。
バリアフリーよりも費用はかかりますが、それを必要とするかどうかは、相手の選択であり、まずは情報を伝えて、相手の選択肢を広げることが大事であると考えます。
また、墨田区では緊急対応地区には職員が何度も足を運び、耐震改修の説明をし、
簡易改修の工事の耐震・バリアフリー改修は、2014年度には13件だったものが2016年度には25件と、約2倍の実績となっています。

これから高齢化が進むほど、要支援者が増えます。
その要支援者がどこにいるかで、助ける側のリスクも変わります。
危ない崩れた家の中に入って行って助けるのか、それとも耐震化で命が守られ、
本人が玄関のところまで自力で出てきているのか。
この違いは、助ける側のリスクも、労力も格段に変わり、
より多くの方を助けることが出来ます。

また、新潟県中越地震、熊本地震では、震災で亡くなった方よりも、その後の関連死の方が多くなっているという現状があります。
その9割が、高齢者と言われています。
これから、高齢者人口がますます増えることを考えれば、それに伴って、関連死対策がますます重要となってきます。
そのためにも、まずは耐震です。

板橋区でも是非 高齢者住宅設備改修費助成事業を行っている地域包括支援センターと連携を組んで、高齢者の命をより救える取り組みとしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

 

⑫この項目の最後です。

昨年10月に、板橋区で初めての「避難訓練コンサート」が行われました。
まさに「コンサート中に地震が発生したら、その時どうする?」 というものです。
主催は「文化会館指定管理者」、それに板橋消防署と危機管理室が協力して行われたもので、区民還元無料イベントとしての開催でした。
主催者側も、参加者も、双方にとって貴重な体験になります。
防災訓練にあまり参加したことのない人の関心を得ることもできます。
いつ、どこで災害が起きるか、誰にもわかりません。
さまざまな場面を想定し、たくさんの方がいろいろな体験をし、防災意識を高めていくことが大事です。

そのためにも、毎年このような取り組みを開催してほしいと思いますし、そこにほかの部署で、大きなイベントを開催するような所管からも職員が参加して、一緒に学んでほしいと思いますが、いかがでしょうか。 お答え願います。

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