3、女性が輝く社会の実現について(第2回定例会 一般質問より)

3、女性が輝く社会の実現について

 

3月29日に「男女平等参画推進NEWS」が発行され、関心をもって拝見しました。
様々な場面で「女性が輝く社会の実現」というフレーズを耳にすることが多くなりました。

しかし、実際にどうなのか、まずは男女平等推進を進め、
この板橋のモデルとなるべき板橋区役所の中ではどうなのかに目を向けてみました。

 

特別区人事委員会は、2016年3月に出した
「特別区における女性職員活躍推進のための取り組み指針
~全ての職員が能力を最大限発揮できる職場を目指して~」
の冒頭で、2014年の「職員の給与に関する報告及び勧告」の中で
「女性職員に対する昇任意欲醸成に向けた方策を検討する」と言及したことを述べています。
また、その翌年2015年の勧告の中では、
さらに「女性職員の活用や昇任意欲醸成に向けた各区の取組みを支援するために、
指針を策定し、組織活力の維持向上に努めていく」と、言及しています。

 

今回、区議会事務局調査係にお願いして、特別区23区の女性管理職について調査をして頂いたところ、
たいへん興味深い結果が示されました。
今回は、その中から一部分を取り上げて質問をしたいと思います。

板橋区の管理職の総数は101人、うち女性の管理職は19人、
管理職総数に占める女性の割合は18、80%です。
他の自治体に比べれば低い数字ではありませんが、
内閣府男女共同参画推進本部が決定した
「社会のあらゆる分野において2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、
少なくとも30%程度になるように期待する」
という目標に比べても、まだまだ不足しています。

2016年3月に改訂した「第3期 板橋区特定事業主行動計画」でも、
2年後の2019年には24%以上という区の目標が掲げられています。

しかし、2年で約5%以上比率を上げるためには、
現状にプラスして、あと6人は女性の管理職を増やす必要があります。

さらに年齢別女性管理職の人数を見ると、
19人中60代が1人、50代が17人で、40代は1人、30代は0です。
東京都からの人事となる役職も含まれています。
他の自治体と比べても、特異な年代構成であり、
5年後10年後を考えると、このままでは女性の管理職は、
ほとんどいなくなってしまうことが懸念されます。
早急な取り組みが必要です。
また、単に「女性」という性別でひとくくりするのではなく、
幅広い年代における女性の感性を活かす取り組みが大切です。

さらに、先にあげた特別区人事委員会の指針の中で、
「配置管理においても、福祉系の職場では女性職員の比率が高いにもかかわらず、
企画・財政といった政策部門では女性職員の比率は必ずしも高くないという声がある。
組織のリーダーである管理監督者層において多くの女性職員がその役割を果たすとともに、
区政のあらゆる分野において、女性職員が持てる力を十分に発揮しなければ、
山積みする課題を解決することも、活力ある職場作りを行うことも難しいと考えられる」
と、指摘してあります。

ひるがえって、板橋区の職員の構成はどうでしょうか。
係長級以上が記されている組織人事一覧を見ると、
政策経営部では、全50人の中 女性は2人、総務部では61人中、女性は7人のみです。
まさに特別区人事委員会が指摘しているそのままの状態にあります。

特別区人事委員会は、取り組み指針の基本的な考え方として、3つを柱としていますが、
その中のまず1点目には「意識の改革」があげられ、
「職場における男女に関する固定観念にとらわれないことはもとより、
女性職員が十分に能力を発揮し、活躍することができるよう、
区長のトップマネジメントの下、管理監督者を中心とした全職員の意識改革が必要である」
と記されています。
懸念されていることが そのまま当てはまる板橋区の現状は、早急に改善すべきです。

「女性が輝く社会」は、女性だけが輝く社会ではなく、男性も輝ける社会であり、
一人ひとりが輝ける社会である と、私は考えています。

以上のことを受け、質問を致します。

①坂本区長は、この意識改革におけるトップマネジメントをどのように考えているのでしょうか、

②また、管理監督者は板橋区役所の全職員の意識改革について、現状を踏まえて、
どのように取り組むよう指導していくのでしょうか。
例えば、横浜市では、
「横浜市職員の女性ポテンシャル発揮・ワークライフバランス推進プログラム」
北九州市では「女性活躍推進アクションプラン」と、
女性活躍推進に向けた「プログラム」を定め、取り組みを行っています。
板橋区でも、早急に改善を進めるために、
目標設定や採用・登用の拡大における取り組みを体系的に進め、
実効性のある積極的改善措置を推進することが必要だと思いますが、いかがでしょうか。

③例えば、防災会議における女性比率の低さは、今までも指摘されていますが、
区長の裁量により、女性の有識者を加えることで、女性の比率を高めることができます。
いたばしアクティブプラン2020の、「めざす姿」のTOPにもある
男女平等参画における政策・方針決定過程における女性の参画促進の実現に向け、
より実効性のあるものにするための方策や取り組みを考え、
実現して欲しいと思いますが、いかがでしょうか。

 

【答弁】

女性活躍推進に向けた意識改革の必要性についてのご質問であります。
平成26年3月に特別区人事委員会が策定しました、特別区における女性職員活躍のための取組指針には、職員意識調査等から、仕事の分担、職場配置、政策決定過程等について男女差が少なからず考えられると記されております。多様な価値観を施策に反映する観点では、女性職員の活躍を推進し、男女を問わず、全ての職員が能力を最大限に発揮できる職場環境を整えていく必要があると考えます。そのためにも、女性が活躍しやすい組織風土を醸成するとともに、仕事の分担等も含め全庁的な意識改革を進めていかなければならないと考えております。
次は、女性活躍推進に向けたプログラムの実施についてのご質問であります。
横浜市や北九州市のプログラムは、両市ともに特定事業主行動計画に位置づけておりまして、女性活躍推進のための育成やキャリア形成支援も取り組みの柱としていることで注目がされております。板橋区におきましても、昨年度は女性活躍に関する講演会やロールモデルとなる女性管理監督職と中堅女性職員の懇談会を実施するなど、さまざまな取り組みを実施してまいりました。第3次板橋区特定事業主行動計画を着実に推進、検証しながら、効果的な女性活躍推進の取り組みについてを研究してまいりたいと考えております。
次は、政策・方針決定過程における女性の参画促進についてのご質問であります。
区は附属機関等の設置及び運営に関する要綱において女性委員の積極的な登用に関する項を設け、政策・方針決定過程における女性の参画促進に向けた取り組みを行っております。男女平等参画社会実現のための板橋区行動計画、いたばしアクティブプラン2020では、女性委員の割合を40%以上とする目標を掲げております。目標の実現に向けて、定期的な調査を実施し、意識啓発を行うなど、附属機関等の設置目的や委員の選考基準に配慮した上で女性委員の役割を高める努力もあわせて行っていく考えであります。

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