5月6日、今回で7回目となる
東京レインボープライド2018パレードが行われました。
約7000人が参加し、さまざまなテーマを掲げた37もの山車(フロート)が登場し、
それぞれが自分のテーマを選び、オリジナルの表現をしながら歩きました。
私も第1フロートで歩いたあと、沿道に出て、後から歩いてくる
性別・国籍を問わない、幅広い年代のみなさんと笑顔でハイタッチをし、
とても満ち足りた時間を過ごしました。
パレードの発着点となる代々木公園のレインボープライド会場には
飲食の屋台の他にも大使館やさまざまな企業、NPOなど、
たくさんのブースが出て賑わい、
2日間で14万人もの人が訪れたそうです。
その中には、条例が制定されている渋谷区と国立市のブースもありました。
職員さんのお話を伺うと、職員は研修を受けて、
レインボーバッジを付けている、ということでした。
また会場内の某コーヒーチェーン店のブースには、 LGBTの研修だけでなく、
パートナーシップ制度や適合手術のための休暇制度などあることが掲示されており、
渋谷のまち全体が、レインボーに彩られていました。
5月11日、小池東京都知事は、定例記者会見の中で、
「東京2020大会の成功のためにも、
ホストシティにふさわしい品格のある国際都市、
さらに あらゆる人が輝く都市、すなわちダイバーシティ(多様性)を実現する、そしてそのことを世界に示していくことが必要である」 とし、
「そのためにこの条例制定をし、首都東京としてオリンピック憲章にうたわれる、いかなる種類の差別もあってはならないという人権尊重の理念を実現していく」
と宣言しています。
その条例のポイントは3つで、その中の2つがLGBTに関してです。
1つは、LGBTなどを理由とする差別の解消の推進、そして啓発、
教育の推進。
これらを車の両輪と考えて、セットで条例に規定するというものです。
2つめは、LGBTなどの方々への理解促進に本腰を入れ、
都内の区市町村はもとより、全国に波及する差別解消に言及する。
基本計画を策定し、区市町村との協力を条例の中に規定していく。
都内、区市町村の協力を得て、オール東京での施策を展開していくこととする、
というものです。
条例案は6月にパブリックコメントを実施した後、
9月の第3回都議会定例会での提出を考えているとのことでした。
◎この東京都知事の宣言を受け、板橋区はどのように考えるでしょうか。
◎また、東京都が条例を作って自治体が協力すると言っても、
まずは協力することになる区の職員全体が理解をすることが求められます。
条例の文章だけできても、中身が伴わなければ絵に描いた餅です。
学ぶことや区の中でも制度を整えるなど、準備が必要です。
これに対しては、どのようにお考えでしょうか。
また、現在の取り組みはどうなっているのでしょうか。
足りない部分は、どこだとお考えでしょうか。 お答え願います。
◎区の職員だけが理解しても、区民の皆さんの理解がなければ、
本当に社会が理解しているとは言えません。
そのためには、区の取り組みを明確に区民へ示し、また周知し、
啓発していくことが求められると思いますが、それに対しては
どのようにお考えでしょうか。
◎教育も、車の両輪の片方として位置付けられていますが、
教育委員会としては、どのようにお考えでしょうか。
また、現在は、どのように取り組みを行なっているのでしょうか。
お答え願います。
・2017年の法務省人権啓発活動の啓発活動重点目標の中には、
「性的指向を理由とする偏見や差別をなくそう」 また
「性自認を理由とする偏見や差別をなくそう」 という項目があり、
「性的指向」については、2002年度に、
「性同一性障害」は2004年に既に追加されています。
板橋区が2003年に制定した東京都板橋区男女平等参画基本条例には、
「全ての区民が個人としての尊厳を重んじられ、
性別による差別的な取り扱いを受けることなく、
個人としての能力を発揮し、
ともに住みやすいまちをつくる男女平等参画社会の実現を
私たちの願いとしています」
とあります。
板橋区の条例には、多様性を認める社会、
ダイバーシティ・インクルージョンの理念が入っています。
誰もが、ありのままの自分でいられる社会、
誰もが能力を発揮できる生きやすい社会を目指しているのが、
板橋区の男女平等参画基本条例だと、私は理解しています。
そして、このダイバーシティ・インクルージョンは、
2020年東京オリンピック・パラリンピックでさらに求められ、
加速すると考えます。
この春、板橋区の男女社会参画課が とても素敵な
「LGBTから学ぶ『ダイバーシティ・インクルージョン』(~お互いを理解し、認めあえる社会へ!~)
というリーフレットを作成しました。
とても素晴らしいリーフレットで、手に取って嬉しく、
中身を見て、ますます嬉しく思いました。
◎是非、多くの方に手にして、見てもらいたいと思いますが、
今後の利用方法をお聞かせください。
また、東京都の条例が正式に公布、施行されるとしたら、
その場合も、たいへん役に立つものと考えます。
是非、その際には増刷をしてでも活用し、
広く深く理解をするために活用してほしいと要望いたしますが、
いかがでしょうか。
<区長答弁>
次は、東京都の条例制定に向けた動きについてのご質問であります。
東京都が制定を予定している条例では、性自認や性的指向等を理由とする差別的取り扱いの解消に向け、基本計画の策定と区市町村との協力を規定するもの
とし、平成31年4月の全面施行を目指していると聞いております。
区といたしましても、東京都が制定する条例を受け、
協力していきたいと考えています。
次は、区の職員全体の理解についてのご質問であります。
区としましても、誰もが仕事と生活の両立など人生の各段階に応じて生きやすく、
能力を発揮できる状態を「いたばしグッドバランス」と名付け、その実現を目指して
いくとしております。
「いたばしグッドバランス」について、職員向け講座やメール配信など、
区職員全体の理解を深めるための取り組みを実施する予定でもあります。
次は、区民に向けた周知啓発についてのご質問であります。
平成29年度に作成しました「いたばしグッドバランス」を周知するための
リーフレットにおきましては、多様な人々を理解し、認め合い、生かし合うことを意味するダイバーシティ・アンド・インクルージョンについての考え方を掲載いたしました。このリーフレットを全庁的な協力のもとに、今後、区民、区内事業者に配布し、周知を図っていく考えであります。
また、平成30年11月に区民イベントスペースで、東京2020大会を意識した
ダイバーシティ・アンド・インクルージョンを啓発する展示イベントを関係各課が
連携をして実施し、区民の理解促進を図る予定でもあります。
次は、LGBTリーフレットの活用方法についてのご質問であります。
このリーフレットにつきましては、LGBTの基礎知識や現状課題などについて、
また、目指すダイバーシティ・アンド・インクルージョンについての考え方を
紹介する内容となっています。リーフレットの配布にあわせ、LGBT当事者を理解し、支援することを意味するレインボーリボンも配布するなど、啓発に努めております。
東京都が条例を制定し、施行する際にもリーフレットを活用し、啓発を行っていきますが、必要に応じてリーフレットの見直しや増刷も検討していきたいと考えています。
<教育長>
ありのままの自分でいられる社会に関しまして、東京都の条例に対する教育委員会の見解と取り組みについてのご質問ですが、全ての子どもたちが自分らしさを発揮し、生き生きと学校生活を送るためには、教職員が性同一性障害等については、正しい知識と理解を深めることが大切であると考えています。
平成29年度は、区立学校・園の管理職と教員で構成される人権教育推進委員会や教務主任研修会、生活指導主任研修会等において、
性同一性障害者、性的指向を取り上げて理解を深めてまいりました。
今後も、東京都教育委員会が作成している人権教育プログラムを各校での
研修や教育委員会訪問時等で活用し、一人ひとりの児童・生徒の人格を尊重する
人権教育を推進してまいる所存です。