2023-11-28 第4回定例会一般質問 粗原稿

2023-11-28 第4回定例会一般質問 粗原稿
(※決定稿ではありません)
 通告に従い、五十嵐やす子が質問いたします。
 1、アスベスト対策について。
上板橋駅南口再開発は、民間事業と板橋区は言っています。
しかし、解体の大半が板橋区と国からの公費で賄われます。
そのような事業こそ、模範的なアスベスト対策であることが求められます。
 事前調査結果の報告書の公開は努力義務とはいっても、公開しない理由はありません。
少なくとも大山クロスポイントでの再開発組合は、個人情報を付箋で隠して閲覧が可能でした。
 ところが、今回はそのような対応すらありません。板橋区は、積極的に開示するよう再開発組合に求めなかったことも認めています。
 環境省は、石綿の飛散による健康影響は社会的に強い関心が寄せられており、周辺住民の不安を解消し、より安全な解体等工事を進めるために、周辺住民等との間の円滑なリスクコミュニケーションの重要性、必要性が高まっているとして、2017年に「建築物等の解体等工事における石綿飛散防止対策に係るリスクコミュニケーションガイドライン」を公表しています。
これは、解体などの工事の発注者などが周辺住民等との信頼関係を構築し、適切な工事が施工できるように、リスクコミュニケーションの基本的な考え方や手順を取りまとめたものです。
その中で、リスクに関する情報を関係者が適切に共有し、相互に意思疎通を図るリスクコミュニケーションは、リスクを低減する上で有効な手段と説明し、さらに建築物等の解体等工事において石綿の飛散防止に関し、周辺住民等とリスクコミュニケーションを図ることにより工事が円滑に進むことが期待されるとして、その有効性を示しています。
 また、リスクコミュニケーションの目的として、解体等工事を実施する際には、石綿粉じんの漏えい等に対する周辺住民等の不安や懸念を解消することが重要です。提供する情報が不十分であったり正確性に欠けている場合には、周辺住民等の不信を招きかねません。そのためには、正しい情報を適切なタイミングで正確に伝えることが必要です。
 また、周辺住民等からの問合せや意見などには誠実かつ速やかに対応することが重要とも記しています。
まさに今回の事例で大きく欠けていることであり、必要なことです。
 また、解体等工事の実施前のリスクコミュニケーションとして、発注者や元請業者等が伝えたい情報だけを伝達するのではなく、周辺住民等が必要とする情報を分かりやすく提供することが重要としており、事前調査結果の詳細な内容は、まさに環境省が指摘している提供すべき情報そのものです。
さらに、これらの情報提供は、掲示、チラシの配布、回覧、戸別訪問、説明会などで実施するよう求めています。
また、解体等工事の実施前に情報提供する事項の例の事前調査に関する事項として、事前調査を行った者の氏名または名称及び住所や調査方法及び調査箇所などや事前調査結果の概要としては、部位ごとの石綿の有無、含有している石綿の種類、石綿含有建築材料の種類や使用箇所及び使用面積などが挙げられています。
 しかし、現在行われている上板橋の現場の掲示では、部位ごとの石綿の有無自体が書かれていない箇所があったほか、石綿の有無はあっても、石綿なしの場合の判断根拠がない箇所もあったなど、守られていないとのご指摘がありました。
事前調査で確認できなかった石綿含有建築材料を新たに発見した場合や、石綿の飛散事故等が発生した場合には、追加的なリスクコミュニケーションが必要となるとも記されており、今回のように当初と異なるアスベスト建材が見つかる場合も当てはまります。
 私は、住民の皆様から多くの不安の声をいただき、東京都、また環境省や国交省、厚労省とアスベスト対策に関して意見交換を重ねてまいりました。
環境省は、リスクコミュニケーションガイドラインを公表している趣旨から、個人情報に配慮の上、積極的にアスベストの事前調査結果報告書を開示すべしとの見解でした。
住民からの安全性への理解もより得やすくなるからです。
 地元自治体であり、補助金を支出している板橋区は開示を強く迫るべきと考えますが、見解を伺います。
 仮に組合側が開示を拒否したとしても、補助金が適切に支出されているのかを確認する義務が板橋区にはあります。事前調査結果報告書を提出させないとしても、補助金が適切に支出されたのかを確認する資料である以上、必要があれば板橋区は年度の途中であっても提出させることは可能です。
その上で、板橋区が個人情報に配慮して区民に開示するといった対応が必要ではないでしょうか。
国交省との意見交換の中でも、国交省は特にそうした対応を妨げる規則はないことを認めています。
 また、再開発組合側は、事前調査結果報告書、作業計画書ともに、求めがあれば行政に対しては適切に開示いたしますとも7月に回答しています。
 朝日新聞の記事によれば、上板橋駅南口再開発は全体の68%が税金で賄われる再開発です。区民の皆さんが納めている多額の税金が使われています。
 板橋区の税金の使い方をチェックするのが議会です。その議会に身を置く者として、板橋区の税金の使い方の確認は不十分であると私は指摘いたします。
 板橋区は再開発における税金の使い方を確認する義務をきちんと果たすとともに、住民の不安解消のため、再開発組合側も同意している石綿事前調査結果報告書の提出を求め、開示すべきです。見解を求めます。
 次に、板橋区の要綱と指針についてです。
 2007年以降の板橋区における建築物等の解体等工事に伴うアスベスト等飛散防止対策とその周知に関わる指針が、2022年4月以降、区長決定の板橋区建築物の解体工事等に係る生活環境保全指導要綱に切り替わりました。
これにより大きく変わったのは、アスベストを含む成形版など、いわゆるレベル3建材も含め、アスベストの事前調査結果報告書を、以前は指針に基づき板橋区に提出させていたものが、大気汚染防止法に基づいて板橋区に提出させるようになったことです。
 大山クロスポイント再開発のときは、情報公開で事前調査結果を入手できました。
 しかし今回、私は情報公開請求をいたしましたが、制度が変わったことで、大気汚染防止法に基づく、いわゆる概要版の事前調査結果報告書しか板橋区では開示されなくなってしまいました。この内容で本当に板橋区は許可が出せるのかと危惧しています。
 兵庫県や大阪府は、条例でレベル3建材の調査結果や作業方法を届け出させる制度を維持しています。都内でも練馬区では一定規模以上の工事に住民説明義務などを設け、条例を拡充しています。
 板橋区でもかつてのように、アスベストの事前調査結果報告書を提出させる仕組みに戻すべきと考えます。区の見解を求めます。
 大山のクロスポイントでアスベストが問題になった際、アスベストに関する指針の実効性を確保するため、条例を制定すべきではとの他の議員の質問に対し、区は「他自治体の条例化の動向も注視しながら、より適切で実効性のある方策を研究していく」と回答しています。
 事前調査結果が適切に記載されていれば、本来このような問題は起きないはずです。今回、制度の機能不全があったことが明確となりました。機能不全があった以上、改めて条例化により法の不備を補う必要があります。板橋区は真摯にこの問題に向き合い、現場で働く者、地域で暮らす区民の皆さんの安全と健康を守る責任があります。より適切で実効性のある住民の側に立った安全性を担保する条例を制定すべきです。
 また、アスベストの問題は再開発の是非以前の問題であり、今後、アスベスト使用を国が推奨した時期に建てた建物の解体もふえることは必至です。見解を求めます。
 2、重要土地利用規制法について。
 2021年第3回定例会に、重要土地等調査規制法に関係する陳情が提出されました。
陳情の内容は、
 この法律について各自治体への影響を明確にし、基本方針作成の段階から情報公開、意見を提出できるよう求める意見書を国に出すこと、
 区が区民への影響について情報を収集し、慎重な制度設計の運営を求めるというものでした。
 今年の9月11日には第6回土地等利用状況審議会において、板橋区、北区の補給統制本部、練馬駐屯地などが注視区域の候補に挙げられました。
 自治体は国の下請ではありません。対等な立場として、区民の権利を守るよう国に求めることは当然のことです。
 そこでお伺いいたします。
 先日、国から区長への意見聴取がありました。板橋区は国に対し意見を伝えたのでしょうか。2年前に区民が陳情という形で懸念を示していましたが、区はどのような対応をしたのでしょうか。
 この法律に関して、何も知らない区民がいまだにたくさんいらっしゃいます。注視区域の指定は12月とも言われています。自分の住んでいる場所が注視区域に指定される可能性のある区民がいるはずです。
 大きな影響を及ぼすことになりますが、住民説明会も何もいまだに開かれておりません。板橋区として住民説明会をしてほしいと思いますが、見解を求めます。また、東京都や国などに説明会を求めるなどしないのでしょうか。また、知らなければ区民は意見も言えません。住民説明会の後で住民の意見を聞き取り、国に対象区民の意見を伝えてほしいと思います。見解を求めます。
 区域指定された場合、その周囲1キロメートルが監視対象となり、区域内の土地、建物が調査され、機能阻害行為が確認されれば、国として住民の監視、密告が中止を勧告、命令でき、従わなければ刑事罰が科されます。
 また、情報収集として住民間の監視、密告が奨励されています。特に重要とされている区域は特別注視区域に指定され、一定の面積以上の土地などの売買には届出が義務づけられます。
この法律が拡大適用される懸念も指摘され、区民の思想調査が行われたり、事実上強制的な土地収用も可能となっており、周辺に暮らす区民は憲法が保障する財産権、住居・移転の自由、表現の自由、思想信条・良心の自由、プライバシー権など基本的人権が侵害されるおそれもあるとの指摘もあります。
自衛隊練馬駐屯地や十条駐屯地が注視区域となった場合、およそ何人ほどの区民が対象となるのでしょうか。
また、その区域図が区の下に届いているのであれば早急な公開を求めますが、いかがでしょうか。
 3、女性支援新法について。
 2022年5月、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(女性支援法)が成立し、2024年4月1日に施行されます。女性相談支援センターガイドライン、女性相談支援員相談・支援指針の改定、女性自立支援施設運営指針策定など、いずれも国の通知として公表される予定となっています。
 また、都道府県基本計画は策定義務となっていますが、市区町村基本計画策定は努力義務となっています。
 しかしながら、現場は市区町村の自治体です。板橋区そのものが現場なのです。
 これまでは売春防止法しかなく、女性支援の中で必要なこと、漏れていたことなどがたくさんあります。
 例えば、これまでは行為だけを見ていたものが、どうしてその行為をせざるを得なかったのかという、その原因となる部分を支援することができるようになります。
まさに困難な問題を抱えた女性の人権を守るための大切な法律が施行され、これまで軽視されてきた女性福祉の構築がなされることになります。同時に女性たちは、売防法制定の後66年もかかった女性支援法に大変期待をしています。
 基本計画策定は努力義務とはなっていても、本当の現場となる板橋区が基本計画をきちんとつくるべきと考えますが、区はどのようにお考えでしょうか。
 基本計画策定においては、さまざまな分野の専門家が参加することが必要です。
新法では個別性が重視され、個別最適な支援が求められますが、そのためにも多くの機関や民間団体との連携や協議が必要となります。
 板橋区においても、継続的な支援、途切れても戻ってきたら手を離さない、寄り添う支援ができる支援調整会議とするためには、それらに携わるであろう人たちに、基本計画策定時にも携わってもらうことが大切になると考えます。
 人員の選定など、どのようにお考えでしょうか、お答え願います。
 次に、3月になって国から通知が下りてきても、来年度予算にはすぐ反映することは困難です。
しかし、安定的な予算の確保、安心して働ける雇用形態での人員配置は大変重要です。
 現在の板橋区の婦人相談員は正規職員と伺っていますが、今後も正規職員としての身分保障の確保、また、法を活かすためにも、人員をふやしたり研修体制の充実などを図ってほしいと考えます。区の見解を伺います。
 相談に来るのを待つだけではなく、発見していくこと、早期把握することが新法では求められ、アウトリーチや居場所の提供が必要となります。
 私は先日、国立市にある特定非営利活動法人、くにたち夢ファームJikkaさんに視察に伺い、国立市との官民共同事業である女性パーソナルサポート事業、UR都市機構との提携居住支援事業についてなどお話を伺い、行政が行うだけでなく、よく理解して協力をしてくれる民間団体との連携、協働による支援が必要であることを強く思いました。
 板橋区で新法をより有効に運用し、女性支援を進める上で、支援方針の策定、民間団体・他機関連携・協働体制などの整備が必要であることを強く訴え、求め、この項の質問を終わります。
 4、子どもの居場所について。
 2015年第3回定例会で、東京都板橋区立児童館条例の一部を改正する条例で、児童館を38館から26館に減らし、利用を制限し、乳幼児限定としました。
 放課後の小学生の居場所はあいキッズとされ、当初からさまざまな問題が指摘され、子どもの権利条約にも反するものと、私は条例への反対討論の中でも指摘をいたしました。
 現在、中高生の居場所としてi-youthが2か所できましたが、まだ足りません。拡充の方針が打ち出され、歓迎していますが、中高生の居場所を子ども自身が選択できるように、さらにつくってほしいと考えます。見解を求めます。
 次に、児童館においても18歳までの子どもたちが使えるようにという方針の下、3つの柱が示されました。
 児童館を減らしたときの説明の中で、類似施設は不要と盛んに言われてきました。
 昨年行われた総合教育会議では、子どもの多様な居場所が必要という内容が話し合われたと聞きましたが、多様な居場所を否定したのは板橋区でした。
 板橋区はその認識を今回変えたと理解しますが、よろしいでしょうか。また、当時の判断についてどのようにお考えでしょうか。類似施設であったとしても、子どもたちが選択できる環境が必要です。区の見解を伺います。
 次に、板橋区の児童館は、こども家庭庁が求めている地域での相談にも力を入れており、今後はどの児童館でも同じ機能を受けられるようになると理解しています。
 乳幼児以外の子どもたちが利用できる場所を確保することがこれからの課題となり、新たに児童館をつくる課題への第一歩と考えます。区長の子育て№1を実現するためには、小学生も安全に歩いたり自転車で通えるように、児童館の数を今よりもふやすことが必要となります。見解を伺います。
 次に、民間活用や民間との連携を否定するものではありませんが、26館に減った際の加配職員も既にいません。
当たり前に休日振替の休みを取るだけでも、現場の人員は手薄になってしまう状況が見受けられています。現場の人員の整備が第一で、民間活用の議論はその先となると思いますが、見解を伺います。
 次に、廃館となった児童館の建物がまだ残っていて、保育園などに貸し出されています。その児童館だった建物やスペースを、改めて子どもたちのために利用することを求めます。再利用は最低限の予算で済み、短時間で取り組むこともできます。見解を求めます。
 児童館へは、子ども・子育て支援法上の子育て広場という枠で補助金が出ています。補助金をしっかりと活用しながら、子どもたちのためになる子どもたちの居場所をつくってほしいと考えますが、見解を伺います。
 必要以上の働きかけをしない中での見守りが児童館では大切だと考えています。児童館の方針を単なる自由遊びに絞らずに、自由遊びが保障される児童館という考えでの児童館を求めたいと思います。見解を伺います。
 以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
【答弁】
区長(坂本 健)
 それでは、五十嵐やすこ子議員の一般質問にお答えいたします。
 最初は、上板橋駅南口再開発のアスベスト対策についてのご質問であります。解体工事におけるアスベスト等の飛散防止につきましては、大気汚染防止法などの法令に基づきまして対策を行うことが重要であると考えております。アスベスト事前調査報告書においては、記載内容について、現地の立入検査で区が確認等をしておりまして、開示につきましては再開発組合が判断するものと認識しています。区としましては、再開発組合が解体工事の施工においてアスベスト等の飛散防止対策を適正に実施するように、引き続き指導していきたいと考えています。
 次は、再開発における税金の使い方の確認についてのご質問であります。上板橋駅南口駅前東地区の再開発事業に対する補助金等は、都市計画道路や駅前広場の整備、施設建築物の整備等に関するものであります。補助金等は要綱に基づき審査をし、履行確認などを適正に実施した上で支出しているところでありますが、当地区におけるアスベスト事前調査については補助対象にはしていないところであります。区は、アスベスト事前調査報告書の記載内容について立入検査で確認等をしておりまして、報告書の開示につきましては再開発組合の判断によるものと認識をしております。
 続いて、事前調査結果報告制度についてのご質問であります。大気汚染防止法の改正に伴い、一定規模以上の解体工事などにおいては、アスベスト含有建材の有無を事前に調査をし、システム入力をし、板橋区に報告する仕組みとなっております。法に基づく制度がある中、従前の報告の仕組みに戻す考えはございませんが、立入検査のほか、事業者への指導を通じまして、作業が安全に行われるよう、引き続き指導に当たっていきたいと考えています。
 続いて、アスベストの指導に関する条例についてのご質問であります。解体工事等のアスベストに関する現在の要綱においては、事業者が行う周知や公害防止措置などを定めております。法に基づく事前調査報告制度を踏まえて、周知方法の選択肢が幾つかあり、事業者が実施する中において要綱ではその大枠を示しているところであります。そのため、条例を制定し、アスベストの指導を行う考えはございませんが、引き続き事業者の指導に当たっていきたいと考えています。
 次は、重要土地利用規制法に関連いたしまして、国への意見表明についてのご質問であります。重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律に基づきまして、9月11日付文書により、内閣府から区へ注視区域等の指定案に係る意見聴取がございまして、12月2日に回答いたしました。意見聴取の内容は、地域の地理的情報、開発計画等に関するものでありまして、個別の意見を伝える形式ではなかったために、特段の意見は付していないところでございました。
 次は、住民説明会についてのご質問であります。現在、自衛隊駐屯地等の重要施設の周辺を注視区域として指定をすることが国において検討されて、調整段階にあることから、現時点では説明会等を実施する予定はないところであります。内閣府では、問合せ等に応じるコールセンターを設置しておりまして、注視区域に指定がされた場合においては、国が速やかに指定された区域及び事由を周知するとしております。区としましても、情報提供が可能となり次第、区民に分かりやすい周知に努め、国と協力をしながら適切に対応していきたいと考えています。
 次は、対象区域についてのご質問であります。注視区域については、重要土地調査法第5条により、防衛関係施設等重要施設の敷地の周辺おおむね1,000メートルの範囲内で指定することができるとされております。現在指定する区域は決定されておりませんで、内閣府が区域図案を非公表としているため、現時点において対象住民数及び対象区域図案を示すことができないと考えております。
 次は、女性支援新法に関連いたしまして、基本計画の策定についてのご質問であります。いたばしアクティブプランではジェンダー平等を第1の柱立てとして策定をしておりまして、これまで女性活躍推進法や配偶者暴力防止法を取り組む形においてプランの充実を図ってきておりました。今年度末に策定が予定されております東京都の基本計画を踏まえて、来年度より検討を開始するいたばしアクティブプラン2030に取り組む形において、基本計画の策定を検討していきたいと考えています。
 次は、基本計画策定時の人員選定についてのご質問であります。いたばしアクティブプラン2030の策定時には、公募区民のほか、有識者や専門家などを構成員とする審議会を設置し、広く意見を聴取し、検討を重ねていきたいと考えています。基本計画をアクティブプランに取り組む形とする場合においては、困難女性支援法に基づいた検討も可能となるような人員の選定を行っていきたいと考えています。
 次は、婦人相談員についてのご質問であります。婦人相談員は、法施行に伴いまして名称が女性相談支援員となり、困難な問題を抱えている女性の発見や相談、専門的技術に基づく援助を実施するなど、重要な支援機関の一つであると考えています。法においては、市区町村の設置は努力義務とされておりますが、女性を支える人員として、雇用形態や規模、育成方法についても区基本計画の策定検討と並行して考えてまいりたいと思います。
 次は、子どもが選択できる居場所についてのご質問であります。区では、小学生の居場所としてあいキッズを整備し、児童館は乳幼児親子に特化したCAP’Sへと変革することによって、各施設のメインターゲットを明確化し、事業の質と訴求力を高めることができたと認識しています。一方、こども家庭庁の設置やこども基本法の施行によりまして、子どもの居場所を取り巻く状況は変化をしております。子育てしやすいまちとして高い評価を受ける板橋区の象徴的な存在であるCAP’Sのさらなる進化を含めて、教育委員会とも連携をしながら、子どもたちが安心して過ごせる多様な居場所の整備を検討していきたいと考えています。
 続いて、児童館数の増加についてのご質問であります。児童館は区内の各地域をカバーできるように、全体バランスに配慮して全26館を設置しておりまして、身近で親しみやすい施設として高い評価をいただいていると認識しています。利用者が徒歩でも通えるような配慮をしておりまして、現時点においては児童館をふやす予定はございませんが、区の人口動向を注視しながら、必要に応じて配置を見直していきたいと考えています。
 続いて、ノウハウを持った職員の活躍についてのご質問であります。児童館では、子育て世代のサポートや子どもの対応に関するノウハウを持った保育士や幼稚園教諭などの資格を持った職員を多数配置しております。現場で実務経験を積んだ人材が全国的に不足する中において、区の児童館職員は貴重な存在であると考え、引き続きの活躍が期待されますが、区民サービスのさらなる充実に向けては、任期の定めのない常勤職員のみで対応するには限界があると考えています。職員のさらなる活躍と民間活力の活用を並行して検討することによって、児童館のサービスの向上につなげてまいりたいと考えています。
 次は、廃止児童館の再利用についてのご質問であります。平成27年度限りで廃止した12館の児童館のうち、区立保育園に併設された9館は、保育園の各種行事や運動遊びなど、保育の質の向上や幼稚園児の保育の場として幅広く活用しております。また、令和6年度末までに家庭福祉員が保育を実施できない場合の代替施設の確保が法令により定められておりまして、保育園併設の廃止児童館も検討対象となっております。対象となっていない廃止児童館につきましても、子ども、若者を取り巻く社会の状況を踏まえた施設の活用となるように検討していきたいと考えています。
 次は、補助金の活用についてのご質問です。エール館やほっとプログラムを実施しております児童館及び東京家政大学と連携をした森のサロンについては、国や東京都の補助金を活用して、地域子育て支援拠点事業を実施しております。今後も児童福祉法の改正等を踏まえた国や東京都の補助制度の新設や変更の機会を捉えて、補助金を有効に活用しながら、子ども・子育て支援に取り組んでいきたいと考えています。
 最後のご質問です。自由遊びの保障についてのご質問です。児童館では、遊んでいる子どもに声をかけ、子ども同士の遊びを促すなど、児童の健全な育成に資する取組みを積極的に行っております。引き続き子どもに適切に働きかける取組みを継承、継続しながら、子どもが安心して伸び伸びと過ごせる居場所の在り方と、必要に応じて見守りやフォローができる体制について検討していきたいと考えています。
 残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。
○教育長(中川修一)
それでは、五十嵐やす子議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
 i-youthの拡充についてのご質問ですが、令和5年9月の文教児童委員会にて生涯学習センターの機能向上の報告を行い、i-youthの適切な設置場所を検討する必要性についても説明をいたしました。大原・成増生涯学習センター以外の地域におきましてもi-youthの潜在的なニーズは想定できますが、事業拡大は人員や実施場所、財源等の課題があります。しかしながら、中高生の居場所としてi-youthの役割は重要であると考えており、その拡充に向け、関係部署と連携しながら検討を進めてまいります。
 いただきました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
 
 
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次