本日は世田谷区へ。
「せたがやホッと子どもサポート」の視察に伺いました。
子どもの人権を擁護し、権利を侵害された子どもの
すみやかな救済を図るための世田谷区独自の施設です。
昨年の秋から視察の申し込みをしていて、
やっと時期が合いました。
子どもの権利条例とあわせて、
せたホッとができるまでの経緯など、
説明をしていただきました。
もともと世田谷区の中で行政側から
「子どもの権利条例」の制定をし、
保坂区長になり、また大きく前に踏み出し、
この「せたホッと」もできました。
TOPの考えがやっぱりポイントになっていることを改めて思いました。
毎年10万枚のパンフレットやカードを作り、
小学生・中学生・高校生全員に配布しているそうです。
児童館祭りや区民祭りでも、せたホッとのブースを作り
その場でゲームなどをしたり、子ども達と会話しながら、
もしも困ったら、こういう人が相談を受けますよと、
予め子どもたちに相談員の顔を知って頂き、
せたホッとの案内(電話番号や受付時間など)が書いてある
消しゴムやボールペン、定規などのグッズも配布して
周知をはかっているそうです。
子ども達が「自分も相談していいんだ」「ひとりじゃないんだ」と
いつも思えることは、子どもにとっても、とても良いことだと思います。
また、区長及び教育委員会の両執行機関の附属機関となっているのが特色です。
大学の講師や弁護士など3名の子どもサポート委員、
5名の相談・調査専門員がいて、
事務局は子ども・若者部子ども家庭課が事務局となっています。
お話を聞いていると、この施設を創る時には難産だったようですが、
その後は無くてはならない施設として理解され、今に至るそうです。
相談時間も、月曜日から金曜日は午後1時~午後8時
土曜日は午前10時から午後6時(日・祝日、年末年始はお休み)となっており、
児童相談所などは困った時にはお役所の時間が終わって
連絡も相談もできないという課題も伺っていますが、
せたホッとは、その対応もなさっていて心強いと思いました。
また、年に1回7月に活動報告も行っています。
素晴らしいことです。
マスコットキャラクターの図柄は、一般公募して小学生の案が採用され、
キャラクターの名前は中学生の案が採用され「なちゅ」に決まったそうです。
私は1期目の時から、
子どもの権利条例を作りたいと思っていましたが、
板橋区の中ではまだまだ理解が進んでいないことを痛感していました。
区民のワークショップの中で、
「区民の定義」を話し合うときに、
他のテーブルの参加者が声高に
「子どもは区民の定義には入らない!」
と言っていたのは、今でも忘れられません。
また、ある課長と話していたときに
「子どもの権利」と私が言ったところ
「子どもの義務は?」と言われ唖然としたこともあります。
ですから、まずは子どもの権利について、
また子どもを取り巻く環境の理解を進めることが大切だなと
心の中であたためてきました。
でも、子どもの貧困、また子どもを取り巻く環境を見ていると、
「子どもの権利条例」の必要性を痛感します。
みんなで学んだり、話し合いながら、
機運を高めていけたらと思います。