5、幼保無償化について
2019年10月より、国は幼児教育・保育を無償化するとの方針を
打ち出しています。
しかし、無償化の財源については国が全額出すのではなく、
地方にも負担を求める、いわゆる「持ち出し」が発生することがわかってきました。
そこでお伺いいたします。
①幼保無償化の財源については、先日行われた全国市町村会議でも、
話題にのぼっており、大きな関心事となっています。
財源については、現状はどのように聞いているのでしょうか。
(区長 答弁)
平成29年8月に閣議決定されました新しい経済政策パッケージにおいて、幼児教育の無償化につきましては、消費税率引き上げによる財源を活用することとされております。具体的な国の財政負担につきましては、年末にかけての予算編成や、来年の国会審議などの過程で決定されるものとしておりまして、いまだ明確になっていない状態であります。
(教育委員会 答弁)
幼稚園について、無償化の財源についての質問ですが、幼稚園関係の就園奨励費補助金は、現在、国の負担割合が4分の1以下であります。また、施設型給付費補助金は2分の1負担となっています。幼児教育の無償化に伴う具体的な国の財政負担につきましては、年末にかけての予算編成や来年の国会審議などの過程で決定されるものとして、いまだ明確になっていないところです。
②板橋区のような地方交付税 不交付団体は、どのようになるのでしょうか?
(区長 答弁)
無償化の財源が地方交付税によって措置されることとなった場合には、板橋区のような不交付団体に対する国からの財源措置は全く行われないこととなります。
(教育委員会 答弁)
子ども・子育て支援新制度に移行している私立幼稚園は、国の施設型給付費補助金の対象となっていますが、区立幼稚園は対象外となっています。現在の制度では、国は公立幼稚園には地方交付税措置で対応していますが、特別区は不交付団体のため、財源措置はなされていないのが現状です。さらに、今回の無償化の財源が地方交付税により措置されることとなった場合には、板橋区の」ような不交付団体に対する国からの財源措置は全く行われないことになります。
③例えば板橋区が幼保無償化を独自でするとなったら、
財源はどのくらいかかると試算してるでしょうか。
(区長答弁)
財源措置が全く行われない場合、保育料の無償化のためにかかる経費につきましては、年間約15億円に上がると見込んでおります。
(教育委員会 答弁)
現在の国や東京都の負担割合が変わらずに、幼稚園における幼児教育の無償化を区独自で実施する場合には、年間5億円を超える新たな税制負担が生じると試算しています。
※区立幼稚園と保育園で、新たに20億円「板橋区が負担」することになります!
今のままでは、国が決めたにもかかわらず、国からの補助はなく、
区独自で財源を確保しなければならなくなります。
④「保育園に入ることが出来た」ということは、保護者が働いて収入を得ている、ということです。
収入が多いほど、制度の恩恵も大きくなります。
一方、待機児の場合は、保護者が就職できず、または仕事が制限されていることが考えられます。
保育園に入ることが出来たか否かで、その格差が広がると懸念致します。
また、無償化により、さらに保育園の希望者が増えることも考えられます。
無償化の前になすべきことは、子育てや働き方の選択肢を増やし、
待機児をなくすことではないかと思います。
区の見解はいかがでしょうか。
(区長答弁)
幼児教育の無償化は、幼児教育の重要性と、その負担軽減を図る少子化対策の観点から、国が取り組むべきものであり、待機児童との格差の拡大にもつながるとは考えていないところであります。また、無償化によって、待機児童数の影響も懸念されるところでありますが、今後とも国の制度内容を十分に注視し、適切に待機児童対策に取り組んでいきたいと関上げています。
⑤新たに国が打ち出した政策であるにもかかわらず、その財源を板橋区が賄うというのは、待機児童対策や保育の質の担保などに本来使うべき財源を使えなくなったり、また、子ども施策以外の他の政策への影響なども懸念されます。
23区区長会などでも財源については求めていると聞いていますが、
ここはしっかりと様々な手段を講じて、国に対して財源を求めて欲しいと思います。見解を求めます。
(区長答弁)
平成30年7月には、特別区長会から内閣府特命大臣に対して、幼児教育無償化の実施に関する全ての財源の確保について、さまざまな機会を捉えて、国に対する要請を行っていく関上げであります。