学びたくても、学べない状況下にある子どもたちがいます。
例えば、在学中に妊娠・出産をして、高校を中退する場合があります。
学び直しをしようと思っても、子どもがいることで、諦めてしまうことがあります。
都立の通信制高校は3つありますが、その3つには、スクーリングの際に子どもを預けることのできる無料の託児制度や託児室などがあります。
昭和40年代にできたそうですが、「女性が働く権利」を保障するものです。
私は3つの都立通信制高校に視察に行ってまいりましたが、その中で、一人の女性の生徒さんのお話が忘れられません。
その方はまだ10代でしたが、1歳のお子さんがいて、朝4時に起きてパートナーさんのお弁当を作り、自分はそのあと2時間勉強をして、そのあと働きに行っているのだそうです。子育てもしています。
強い意志をもって、通信制の学校で学んでいることがわかりました。
中学卒業では、どうしても職種や仕事内容の選択も狭まり、収入も限られ、
取りたい資格も取れないなど、人生においてもハードルとなります。
子どもがいても「学ぶこと」は、この先の人生への「先行投資」にもなるはずです。
しかし、一方で学校を辞めないで、いっとき休むことにはなっても、子どもを保育園に預けることができたら、常に学びは補償されるはずです。
そこで伺います。
- 板橋区の保育園の場合、学ぶ権利の保障は、保育の要件として、どのように認められているのでしょうか。
例えば子どもを抱えながら高校に通うケース、また受験に備える時期も含めて、保育園を利用した前例はあるのでしょうか。
また、このように学びながら保育園を利用することについては、どのように周知されているのでしょうか。
せっかくの制度があっても、知られていなければ、使うこともできません。
お答え願います。
- 次に、保育園制度における「学ぶ権利」について、教育委員会、また現場の先生たちの周知はいかがでしょうか。
- 都立の通信制の高校は、普通高校と比べて学校に通う回数は少ないものの、自学自習を求められ、レポート提出が必要となります。学校に登校する回数は少なくても、学ぶ内容は同じですので、より生徒への努力が求められますが、中には学習が追い付かず、レポート提出ができず、退学してしまう生徒も少なからずいるそうです。
例えば、新宿山吹高校の通信制には、2017年度は板橋区から19人が在籍しています。一橋高校の通信制には42人が在籍しています。
この生徒さんたちの卒業に向けて、それぞれの学校でサポートをしていますが、地域でもレポートの書き方などを教えるなど、支えることが必要です。中途退学の未然防止にもなります。
中高生の無料学習の「まなびあいプレイス」を活用し、通信制高校の生徒さんを支えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
- その時にネックになるのが周知です。高校生へどのように伝えるのか、が課題です。
また、東京都は今、様々なタイプの高校を作っています。
高校の中途退学が増えている原因の1つは、マッチングがうまく行っていないことも挙げられます。
そのためには、情報交換がたいへん重要になると思われます。
「板橋区子ども・若者計画」の中に、高等学校との連携による「中途退学の未然防止」と「中途退学者への支援」が盛り込まれています。
この高校との連携の中に、通信制高校、定時制高校、など、様々な制度や「科」の高校とも連携をはかり、そこでも周知ができるようにしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。