羽田空港ルート変更~決算総括質問(10月)とその後&国交省ヒアリング)

10月に決算総括質問をしましたが、
その中で「羽田空港機能強化に伴う羽田空港ルート変更について」も
質問いたしました。
下記のような質問を致しましたので、ご確認ください。

【決算総括質問より】

2020年を目標に、羽田空港が機能強化されます。
今も、板橋区議会にはこの件に関して、複数の陳情が出されています。

機能強化というと、羽田空港自体を、何かするのかと思っている方も、
中にはいらっしゃるようですが、
羽田空港への国際線の離発着を増やすために、飛行ルートを変えることです。 

飛行ルートは、2つあります。

・小豆沢~向原ルート:南風の日の15時~19時、板橋区上空4000フィート(約1200m)を、小豆沢から入り、常盤台上空を通り、向原へと抜ける まさに板橋区を横断するルートです。
1時間31機、2分に1機です。
山手線のピーク時でも、3分に1本と言われています。

・成増、赤塚を通り練馬に抜けるルート。1時間13機の飛行機が飛びます。

飛行機のルートは、レールや道路があるわけではありません。
地図上では線で描かれても、実際は線ではなく「」のようになります。
百メートル単位でズレることも、普通にあるとのことです。

そして、これは、オリンピック以降も継続します。

板橋上空を飛ぶ飛行機が見えますが、羽田空港を出発する飛行機は、
板橋区上空を北風時に6000フィート以上の高さで毎時4本、
南風時に1万1000フィート以上の高さで
毎時 約6回飛行していると、以前伺いました。

しかし、新しいルートはまだ飛んでいないはずなのですが、
私自身、外にいると、いつも飛行機の音がするようになったと感じています。
また、区民の皆さんからも、飛行機の音のことで問い合わせが増えています。

今でさえ、このような状態ですから、いよいよルートが変更され、
現在の南風時の約1/3の高さになったら、
さらに音が気になる人が増えるのではと心配です。

 ・確認ですが、8月以降、騒音に限らずこの取り組みの中で、
 変わったこと、進んだことはあるのでしょうか?

 

※落下物の危険※

音よりも心配されているのは「落下物」です。

最近、落下物の事故が相次ぎました。

同じ飛行機から、同じ部品が続けて落下したり、
大阪ではKLMオランダ航空868便から、重さ約4、3kgの胴体パネルが落下し
市内を走行中の車に衝突し、車両が破損するという事故が発生しました。

かつては、落下物が人に当たって、けがをしたという事故もあったとのことです。

また、成田空港はさまざまな対策を施しており、東京上空とは違い農地も多く、
住宅地に比べて落下物が見つかる確率が低いにも関わらず、
未だに成田空港周辺の落下物は、ゼロにはなっていません

「今まで飛行機が飛んでいなければ、事故の可能性はないが、
飛ぶことで、事故の可能性はゼロではなくなった。」

と、テレビで解説している方もいました。

そんな中、豊島区は 国交省に、新宿区は国土交通大臣に、
それぞれ申し入れをしています。↓

<参照>

[区長メッセージ]
関西国際空港発KLM868便の部品落下事案に対し国土交通省航空局長へ要請文を送付(平成29年9月26日)

9月23日に関西国際空港を離陸したKLMオランダ航空868便から重さ約4.3kgの胴体のパネルが脱落し、大阪市内を走行中の車両に衝突し、当該車両が損傷するという事案が発生しました。
豊島区は、この事案に対し、要請文を国土交通省航空局長に送付しました。
要請文の内容は以下のとおりです。

 

国土交通省航空局長 蝦名 邦晴 様

               要 請 文

 去る9月23日午前10時57分ごろ、関西国際空港を離陸したKLMオランダ航空868便から重さ約4.3kgの胴体のパネルが脱落し、大阪市内を走行中の車両に衝突し、当該車両が損傷するという事案が発生しました。

 羽田空港機能強化は2020年東京オリンピック・パラリンピック大会、その先の日本の成長を見据え、東京の国際競争力強化、急増する訪日外国人観光客受入のため、その必要性や重要性は理解しております。

 しかしながら、羽田空港の機能強化は、区民の安全をないがしろにするものではあってはなりません。特に豊島区は、23区で唯一のWHOセーフコミュニティ認証都市として安全安心に対し区民に責任を持っており、今般の事案を看過することはできません。

 下記の通り強く要請します。 

       記

1 本件事案の徹底的な原因究明 
2 同じような事案が、羽田空港において起こらないよう再発防止策の徹底
3 これらに関する情報公開の徹底

            平成29年9月26日  豊島区長 高野 之夫

 

<新宿区>

平成 29 年 9 月 27 日
国土交通大臣  石 井 啓 一 様

                         新宿区長 吉住 健一

羽田空港機能強化に伴う情報提供及び安全対策等についての要望書

羽田空港の機能強化に伴う新飛行経路では、南風時の15時から19時のうち3時間の運用を基本に、1時間あたり最大44機の旅客機が新宿区の落合、北新宿、西新宿地域の上空約935メートルを飛行することになります。 これまで国は、新宿区内において、新宿駅西口イベントコーナーや落合、北 新宿、西新宿地域でオープンハウス型の説明会を開催し、安全対策や騒音対策 について説明を行ってきました。 しかし、9月23日に大阪市内で上空を飛行する航空機のパネルが落下し、 走行中の車両に衝突するという重大事案が発生するなど、落下物等による事故 が相次いでおり、区民の不安は一層高まっています。 本区としましては、こうした区民の不安や疑問に適切に対応するよう、下記の事項について要望いたします。

                  記

1 相次ぐ部品の落下事故等の原因を徹底調査し、その情報を速やかに公表するとともに、再発防止策を徹底すること。また、整備・点検を万全に行い事 故の未然防止に努めること。

2 新飛行経路となる落合、北新宿、西新宿地域で教室型の説明会を開催し、より多くの区民に正確な情報を届けるとともに、双方向の情報交換を丁寧に行うこと。

3 安全対策及び騒音対策について、常に安全や環境影響に配慮した方策を検討し、その情報を区民に提供すること。

4 新宿区内の新飛行経路となる地域に騒音測定局を設置し、騒音に関する監視を行い、その情報を区民に提供すること。

 

  • 板橋区が、平成26年度に国に提出した意見書の中には

「・区部上空ルートを飛行する場合における、具体的な騒音防止措置、落下物対策等について説明し、住民に理解を得ること。 」

 とあります。

今回、連続して発生した落下物の事故ついて、再度、強く安全性を求める時だと思います。
落下物事故賠償について、今までよりも手厚い保証がなされるようですが、
補償をされるからいい、というものではありません。
区民を最後まで守るのが、自治体としてのあるべき姿ではないのでしょうか。

・板橋区は、落下物対策として、今回新たに申し入れをしているのでしょうか?
板橋区は動かないのでしょうか? お答えください。

(細かい文言は後ほど確認し、答弁も追加致します。)

【その後の板橋区の動き】

板橋区も要望書を考えていたようですが、
私の要望も受け、板橋区は11月2日に国に対して要望書を提出いたしました。

内容は下記のとおりです。
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/076/076471.html
(板橋区HPより)

平成29年度の要望書の提出(平成29年11月2日 国宛て)

落下物等による事故が相次いでおり、板橋区でも同様の事故が起きるようになるのではないかという区民の不安が一層高まっている。板橋区として区民の不安や疑問への適切な対応を求め、以下のとおり要望した。

1 相次ぐ航空機からの部品の落下事故等を徹底調査し、原因を究明すること。

2 同様の事故を繰り返すことがないよう安全対策を強化し、再発防止に努めること。

3 安全対策が有効に機能しているか、継続的に監視を行うこと。

4 これらのほか、騒音対策を含め、情報を区民に提供し、理解を得ること。

 

【国交省とのヒアリング】

12月15日に、衆議院議員会館で大河原雅子衆議院議員を介して
都心上空ルートに関して、国交省に対してヒアリングを行いました。
生活者ネットワークの議員と市民が中心でしたが、

1、新ルートに関して  2、落下物対策  3、航空重大インシデントについて
4、騒音などで、土地の評価価格が下がった場合の対応は 5、説明会

の大きく5つの項目について、質疑応答の時間を持ちました。

活発な意見が出、時間もオーバーしましたが、
今まで何度も話し合いの場を持ち、時間が経っているのに
結局はほとんど何も変わっていないように感じました。

私は安全対策のことについて意見・質問をしました。
落下物、他の事故が起きた場合の責任の所在についてです。
航空会社が補償をする」という答えは、以前から変わりません。
落下物があった場合、どこの航空会社が落としたのか特定できなくても、
複数会社で補償をするというのも、以前と同じです。
しかし、そもそもこの都心上空ルートは危険だと言っていても、
この計画を通してしまうのは、国です。
航空会社は、決められたルートを通るしかありません。
今も確かに板橋区の上を飛行機が飛んでいます。
しかし、本数や高度がまるで違い、今後危険性は高くなります。
危険性を高めることへの責任は、航空会社ではなく、国にあるはずです。
が、このことについての納得できる答えはありませんでした。

 

【第4フェーズ 説明会】

現在、第4フェーズとして各地で説明会も行われており、
板橋区内では2018年2月17日(土)に向原ホールにて説明会が予定されています。
予約も何もいりませんので、是非参加してほしいと思います。

また、オープンハウス形式のみの説明会で、
私も含めて多くの方がずっと要望している「教室型」説明会が行われていません。
実施するハードルは、それほど高くはないはずです。
是非、善処してほしいと思います。

私たちの日々の暮らしの環境と安全が、大きく変わろうとしています。
ある日突然頭の上を海外からの飛行機が低空飛行していった…
そんなことにならないよう、情報の周知、そして自分で考えることが
とても大切だと思います。

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