2025年第四回定例会に出された陳情に対して、委員会決定が否決となりました。
私は可決すべきものとして、少数意見を留保致しました。
陳情第127号 夜勤規制と大幅増員で安全・安心の医療・介護の実現を求める意見書提出を求める陳情
陳情第128号 安全・安心の医療・介護提供体制を守るため、すべてのケア労働者の処遇改善につなげる報酬10%以上の引き上げを求める意見書提出を求める陳情
陳情第127号は安全・安心の医療・介護を実現するため、医師、看護師、介護職員などの配置基準を抜本的に見直し、また、ケア労働者を大幅増員し、安定した人員確保のためにも大幅賃上げを支援することに加え、医療や介護現場における夜勤交代制労働に関わる労働環境を抜本的に改善することを求める意見書の国への提出が願意となっている。
陳情第128号は、医療や介護現場で働くケア労働者の賃上げと人員配置増につなげるため、国に対する意見書の提出を要望するというもので、2026年度の診療報酬改定と1年前倒しで介護・障がい福祉サービス等報酬改定について、各10%以上の引上げ改定の実施をしてほしいといったことに加え、2025年度中の公費による賃上げ支援策の実施を要望するものである。
介護の現場の苛酷さについては、賃金の低さにおいても広く認識されている。障がい者の訪問介護においても利用者がヘルパーを探すことが困難な現状がある。医療においても、本年2月には板橋区医師会から板橋区に対して要望が出ている。東京都からも11月に診療報酬改定等に関する緊急提言がなされ、さらに全国知事会や特別区長会からも国に対し要望が出ているということは、それだけ医療や看護、介護をとりまく環境の改善が必要であるとの認識を示しており、現場の状況のあらわれである。
厚生労働省が本年10月14日に出した「令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」には、賃金改定区分、企業規模、産業、労働組合の有無別1人平均賃金の改定額及び改定率が記されているが、他の業種で2024年に対し2025年の賃金が上がり、改定率も上がっているのに対し、医療・福祉は、昨年が6,876円だったものが今年は5,589円となり、2.5%から2.3%に引き下げられている。この2%台という数字も他の業種とは違い、低い水準となっている実態があり、改善を要することが数字からもわかる。
委員会の質疑の中では、病院経営も東京都の地域医療に関する調査で、2024年度は都内病院の67.9%が医業赤字であり、障がい福祉サービスの例えば居宅介護などは、区独自のサービスも難しいという説明もあった。現実に厳しい状況にあっても、民間の病院に対して板橋区が直接支援をすることも難しい中、国に対し意見書を上げていくということが必要である。必要な介護サービスが受けられていない現状は、ヤングケアラーを生み出すことに加え、介護の負担やストレスから介護殺人に至るという指摘もある。また、介護のために離職をすることによって、老後の年金などへの影響も大きい。医療や介護が崩壊するということは、働いている方のみならず、私たち区民も大きな影響を受けることとなる。
物価高騰や大都市の地域特性により、医療機関が受けている影響を十分に考慮し、診療報酬の大幅な引上げを行うとともに、物価や賃金の上昇を速やかに診療報酬に反映させる仕組みを導入すること、地域医療の確保のため、診療報酬改定のタイミングを待たず機動的な財政支援を行うことが早急に必要と考える。
よって、本陳情の採択を主張する。
2025年12月1日
健康福祉委員 五十嵐 やす子
