陳情第100号
国民健康保険の区民に対する資格確認書の一斉交付に関する陳情
第3回定例会に出され、健康福祉委員会で審議した陳情です。
委員会決定は「不採択」でしたが、私は採択すべき、としました。
また、「少数意見の留保」をし、このように提出いたしました。
以下、私が提出した意見です。
本陳情は、板橋区の国民健康保険の加入者に対し、
マイナ保険証の保有の有無にかかわらず資格確認書を一斉交付することを求めるものである。
2024年12月2日からのマイナ保険証を基本とする仕組みへの移行後、
初めて交付済みの健康保険証や資格確認書などが2025年9月30日で有効期限を迎え、
資格確認書と資格情報通知書の一斉更新が行われた。
一方で、本年5月中旬には、
渋谷区と世田谷区が国民健康保険の被保険者全員に資格確認書を一律交付との報道があり、
その後、衆議院厚生労働委員会において、
国民健康保険の資格確認書の一律交付を国として禁止できないことに関する政府見解を問う質問に対し、
厚生労働大臣は、資格確認書は自治事務であるので、最後は自治体の判断である、
との趣旨の答弁を行った。
そもそもマイナンバーカードは任意のものであり、
作っても作らなくても良いという建付けで始まったものである。
また、大事なものだから、持ち歩くものではないとの認識だった。
それが国によって様々なものに紐づけされ、カードの持つ特性が変わっていった。
また、マイナンバーカード作成においても、コロナ禍の生活の厳しい中で、
まるで目の前にニンジンをぶら下げるかのような手法で強力な推進策が繰り広げられた。
そのため実際は必要としない中、取りあえず作ったという人も多かった。
板橋区においても、マイナンバーカードを作ることを様々な形で強く推奨し、
区役所本庁舎にスペースを作り、その場で手続きをするというような事業もあった。
その中で、今度はマイナ保険証となった。
マイナ保険証においても、本当に必要としている人ばかりではない。
結果、マイナ保険証の登録は約半数、その利用率は4割を切り、
マイナ保険証を解除した人が10か月で577人、約1割もいるということが、
質疑の中で明らかとなった。解除の方法が周知されることで、
さらに増える可能性も否定できない。
国民健康保険の資格確認書事業は、自治事務である。
そして自治体の為すべきことは住民の福祉の増進である。
医療機関の窓口では現にトラブルも起きている。
区民に一番近いところにいて、区民の声が一番届くのは国ではなく板橋区である。
また、医療関係者がこの陳情を上げていることからも、まだ制度への納得が得られていないと考える。
それらの声を受け止めて、板橋区としても自治事務を進めるべきである。
よって、本陳情の採択を求めるものである。