「現行の健康保険証の廃止・マイナ保険証への一本化を強行しないよう求める申し入れ」

【マイナ保険証について】

みなさん最近病院などに行く機会がありましたか?
今、病院等に行くと
「本年12月2日から現行の健康保険証は発行されなくなります」
という厚労省のポスターが貼られています。
先日、私もそのポスターを見たところでした。

マイナ保険証に関してのポスターですが、これだけ見たら
「紙の保険証は使えなくなるから、マイナ保険証に早く切り替えなくちゃ」
と勘違いする人も多いのではないでしょうか。
一方的な「マイナ保険証」推奨を基本とした情報ではなく
皆さんが知りたいことをきちんと伝える情報発信であるべきと考えています。

 先日、木村真 豊中市議や難波希美子 能勢町議等が、
「現行の健康保険証の廃止・マイナ保険証への一本化を強行しないよう求める申し入れ」を
国に意見書として提出するにあたり、
その賛同人として名前を連ねてほしいとのお声かけがありました。
私も、この問題に対しては疑問や意見を持っており、何か物申したいと思い、
自分が賛同人となるだけでなく、社民党だけでなく各地域の地方議員の皆さまにも
様々な方法でお声掛けさせて頂きました。

短期間ではありましたが、100 人近くの地方自治体議員が賛同してくださり、
9月2日、計227人の賛同(現・元・前議員)で
厚労省とデジタル庁に上記のタイトルでのマイナ保険証に関しての申し入れと
ヒアリング・交渉をして参りました。

たくさんの方々がこの問題については気になりつつ、
複雑な問題でもあるため、よくわからなかったり、
ご心配をしています。
そこで、ヒアリングの中でのご報告の一端を共有したいと思います。

保険証の利用
今 手元にある保険証は、その保険証に書いてある期限まで使えます。
その後もマイナンバーカードを持っていない人の所には
自動的に資格確認書」(無料)という健康保健証と同じようなものが届いて、
今まで通り医療を受けることができます。

(保険証という名の紙ベースのものから、資格確認書という紙ベースのものに変わります。)

資格確認書の有効期限について
資格確認書は「5年」と言われていて、その先はないようにも受け取られてしまう書きぶりでした。
厚労大臣の答弁もそれているようです。
しかし、厚労省とのヒアリングでじっくりお聞きすると、
現在の紙の保険証が1〜2年で更新されるように、
5年経ったら次の資格確認書に更新され発行されるという答弁でした。

わかりやすく誰もが理解して安心できる説明をしてほしいものです。

マイナ保険証の解除手続き
既にマイナンバーカードを持っている方がたくさんいます。
コロナ禍や物価高騰の中でのマイナポイントを掲げ、
また推進のための自治体の経費を補助するなどの国による推進政策に
多くの方がマイナンバーカードを申し込みました。
しかし、「持っているけど使いたくない」という人も、少なからずいます。
利用への不安の声もあります。
そのような方は、
「マイナ保険証の解除」(手続き必要)ができますが、
周知がされておらず、その手続きは保険者となり、
国民健康保険では地方自治体が手続きをすることとなります。

解除についての通知
厚労省からの通知は未だなく、昨日の確認で
10月に厚労省から自治体に対して、通知があるようです。

ただ、一般の方は「解除」ということそのものをご存知ないですし、
慌てて手続きしようとすると、自治体の窓口は混乱することになりかねません。

その他
マイナンバーカードは更新手続きが必要ですが、
もし、様々な理由で手続きがされない場合に

マイナ保険証はどうなるのか、
などの詰めも、とても甘いことを感じました。
全体を俯瞰しての制度設計がないように感じました。
1つの手続きをしたら、すべてに反映される、
それこそが必要なのに、一つひとつ自分で
手続きをすることが求められているのが現状です。

制度の問題として
マイナンバーカードを返納しても、そのことを自治体は知りません。
誰がマイナ保険証を解除していて、誰に資格確認書を送るか
一人ひとりチェックすることが自治体に求められますが、
自治体にそのような人員、時間的、予算的余力があるのか、疑問です。

そのチェックと手続きがこれからずっと自治体で必要になります。

資格確認書の発行についての最終判断は保険者にある
最終的な判断をするのは保険者であるなら、
保険者の判断として、今までのように全員に資格確認書を発行することも、
理論上はできることになります。

医療記録の電子データ化
電子データ化と言っても今すぐできるわけではなく、
また一つにデータをまとめることで、
医療機関のデータへの攻撃もこれからますます増え、
その対策が必要になるのではと懸念されています。

それを各医療機関で対応するには限界があるのではないでしょうか。

だれも置き去りにしない制度をめざすと言いながら…
誰も置き去りにしない保険制度を目指しているはずが、
昨日の交渉からは置き去りにされてしまう人を
新たに生み出すような制度になっていると言わざるを得ないのが
現状と感じました。

最後に
12月まであと3ヶ月。
その中で国の制度が固まり、
そして現場である各地方自治体は対応を迫られます。
国の決定がぎりぎりであればあるほど、
現場にしわ寄せが来ます。
そして、いざ使おうとしたら使えないでは、命にかかわります。

現に、マイナ保険証を使おうとしたのに使えず、
翌日改めて・・・と思っていたらお亡くなりになってしまったケースが起きています。

日本は皆保険制です。このことは世界に誇ることができる社会制度です。
そして医療にかかるときは、私たちが健康を害し命にもかかわるような時です。
日々の生活の中でも一番困る時に必要な制度です。
誰も置き去りにしない保険制度をめざしているはずが
置き去りにしてしまう人、置き去りにされてしまう人を新たに生み出すような制度に
なっているのではととても危惧しています。

もっとわかりやすい周知と
利用する私たちが選択できるようにすること
(憲法の表現の自由にもかかわることではないか)
そして、使わなくてもよい予算は使わない、
また、私たちのデータを民間企業に渡すことになることへの危惧を感じた交渉でした。

 

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