板橋区教育委員会と「スダチ」に関して(不登校支援の取り組みの件)

【ご報告】 *後ほど画像など追加の予定
8月5日(月)「#スダチ」より、板橋区と連携して不登校支援に取り組む旨のプレスリリースがありました。
その後、8月9日(金)に板橋区教育委員会指導室より、板橋区のHP上で連携に関しての言及があり、
連休明けの13日(火)には、連携の取り組みを明確に否定する内容へと訂正がありました。

この件については、通常民間との取り組みを始める際に出される「速報」も出されず、
予算についてや取り組みについての説明は頂いていませんでした。
私は5月いっぱいまで文教児童委員会の副委員長でしたが、この件について情報はありませんでした。
お盆の時期ということもあり、直接の担当者とは直ぐには話せませんでしたが、
13日の朝9時前に、担当部署の職員に質問をしたり、情報を共有したり等し、
今回の件について、板橋区教育委員会はスダチとは連携していないというお答えを頂いていました。

15日の日中、この件に関して初めて直接 指導室長と電話で話をしましたが(千鳥ヶ淵での慰霊のため外出先で受ける)
その内容に疑問を持ち、夕方改めて区役所に赴き、直接 指導室長と会い、
区議会の自分の控室にて「#スダチ」の不登校支援に関して確認を致しました。
区のHPには当初
「一部の学校で選択肢の一つとして試行を始めたものです」
と記していた事が、ずっと引っ掛かっており、また複数の方からもご指摘を頂いていましたので
時系列の確認なども含めながら、この件の確認などをしました。
結果、
実際には「試行」をしようとしていたことが明らかとなりました。
この件について書面で報告すること(公開)を約束してもらいました。
①教育委員会としては「連携」という意識はなかったとの事ですが、
第三者からみれば、「連携」と受け取らざるをえない内容がありました。
そもそも板橋区の不登校対策の大前提、ガイドラインは「不登校は問題行動ではなく」
「再登校を目標としない」です。
その大前提と相いれない「再登校のみを目標とする」所と接点を持つこと自体が、
そもそもの誤りではと指摘しました。
②5月1日に教育支援センターで、指導室長、教育支援センター長、
スダチ代表、間中議員で、スダチの取り組みについて話を聞いたとのこと。
(まだ私が文教児童委員会の副委員長の時。閉会中の委員会でも何も報告がなかった。)
③特に小学校低学年のお子さんの不登校が増えているため、
保護者へのアプローチをすることで何か変えられるのではと考えてしまった、と。
(教育委員会にとっても、それだけ不登校問題は大きい問題であり、取り組みに力を入れたい思いがあったことを感じました。)
④教育委員会が対象の学校を選定し、指導主事から小学校2校の校長に連絡。
(この時点で既に関わっていますよね、と指摘しました。)
⑤7月18、19日にスダチ側が各学校に出向き、説明。(学校の名前は今回は伏せます。)
説明の仕方は、それぞれ違う形。
1つの学校では校長室で、もう1つの学校では職員会議の中でプレゼンを行ったとのことです。
前者の一校は、そこで止まっており、保護者にはスダチのことは話していない。
後者一校では、実際に個人面談で保護者に対しスダチの名前を紹介。
ただし、保護者とスダチは直接話をしていないことを確認している。
⑥「『試行』といっても金額が発生する事になるのではないか」という質問に対しては、
「お試し(試行)」なので無料で
としていたとのこと。
まさに新規参入の営業ですね、と指摘しました。
スダチのリリースを見ても、今後事業を広げていく趣旨の言及が見られました。
*14日頃から、共同通信や上毛新聞などによるリリースの報道は削除されています。また、少なくとも13日まではスダチのFacebookなどのサイトには、
板橋区との連携を大きく掲げるCMがあげられていました。
*このことを受け、13日はスダチのCM内容が板橋区の発表と齟齬があり、
板橋区との連携はなく誤解を招きやすいとして、注意を呼びかけました。

金額的なことまで話していたことに対して、正直驚くとともに、
その一方、実態として「連携の事実はない」とするには無理のある内容で、
虚偽の答弁とも受け取れる答弁をしていた事になり、
私や心配している方々の信頼を失うことになる、と伝えました。
⑥プレスリリースについては、スダチの一方的なものだったとのこと。
また、新聞社などから、「プレスリリースの内容についての問い合わせはなかったのか」と確認したが、
「なかった」との答えでした。
教育委員会としては
「お試し」で「連携の意識がなく」「予算措置も来年度への拡大も考えていなかった」とのことです。

その他、私の方から指摘をしたり、要望をしたことです。

*スダチで保護者対応するスタッフはどんな方を採用しているのか、確認することを指摘。
スタッフの募集には「営業」などの文字はあるが資格の文字は見受けられないことをうけてのものです。
*命にも関わることに、カウンセリングを学んでいない素人が関わる危険性を指摘。
少なくとも公的な行政の機関ですので、最低限国家資格を有するカウンセラーの対応が必要と考えます。
*子どもも親も、皆苦しむことになる懸念があることを指摘。
スダチのメソッドは、子どもへのカウンセリングではなく、親に対して子どもへの接し方を指示をするものです。
 また「再登校のみを目標」としています。子どもが再登校できないと、やり方が悪いのは親の方となり、
親が苦しむことになることが予想できます。また、子どもは自分のために親がさらに苦しんでいることを知れば、
やはり苦しみが増すことになる懸念があります。
*行政、学校だからこそ責任があり、影響が大きいことを指摘。
「板橋区が連携している」となれば、そこに安心感をもち契約をするケースや
他の自治体でも板橋区を先進事例としてしまう懸念があります。
*板橋区の「不登校対策」の基本の部分を改めて認識すること
  2019年第四回定例会 一般質問
文科省通知「学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく」と明記していることに対しての
板橋区教育委員会の見解や周知徹底を取り上げました(11月28日)
*教育に政治を介入させないこと(戦前回帰となる懸念)
  今回の件に関して、特定政党の区議や国会議員がスダチと接触したり、
区に紹介したりなどしている投稿が広く知られている
*親学への警戒
内容が親学に通じるものを感じるとの指摘は複数あり。区内では現在も親学の勉強会など開催されている。
などをお伝えました。
今回のことで、板橋区教育委員会が失った信頼を取り戻すことを、真摯な対応を指導室長も約束。
期待したい。

そして、

時系列な説明を文書で出し、公開すること
基本を厳守すること
を約束し
15日の話を終えました。
「無料」に釣られてしまうのは、問題解決への焦りだけでなく
教育に対しての予算不足が裏にあるのではとも感じてしまいました。
また、
なぜ区長部局と教育委員会が分けてあるのかという根本的な意味も
しっかりと考えて欲しいと思います。
今回のことを教訓に、より子どもに寄り添い、子どもの権利を守り
子どもの最善の利益を考えながら、
子どもたちの教育にあたって欲しいと願います。
教育委員会では、まだ完全には状況が掴めていないようですが、
正式なまとめの文書(公開)を待ちたいと思います。
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