5、化学物質への配慮について
(1)強い香料について
近ごろ、洗剤の「香料」を魅力としてアピールするコマーシャルが目立つように思います。
自然なアロマの香りやお香などは、気分転換にもなり、癒しの効果もあります。
しかしその一方で、人には好む匂いと、そうでないものがあり、最近の化学物質による強い臭いを苦痛に感じる人も増えています。
アトピーなどアレルギーを持つお子さんにとっては、症状を悪化させる原因にもなり、ご相談も頂いています。
「化学物質過敏症」という言葉も、以前より耳にするようになりました。
子どもたちの日常においては「給食の白衣」が身近な話ではないでしょうか。
そこで伺います。
アレルギーのあるお子さんに対して、化学物質である洗剤などの強い香りへの配慮が必要と考えますが、教育現場では、どのように考え、配慮しているのでしょうか。
学校ごとの裁量に任せてというのでは、学校長の理解に差があることも考えられます。
それでは、いつまでも改善されない学校が残る可能性があるため、教育委員会から一定の指針を示して欲しいと考えますが、いかがでしょうか。
(2) 次に「手洗い洗剤」についてです。
最近の報道によると、アメリカの食品医薬品局(FDA)が、抗菌作用のあるトリクロサンなど、19種類の成分を含むせっけんの販売を禁止する声明を出しました。
EUでも、専門機関である欧州化学機関によると、薬用石けんは、普通の石けんと比べても感染症予防効果に差はなく、逆に耐性菌を発生させるリスクが上がる研究結果が示されたとし、トリクロサンは使用禁止となっています。
このトリクロサンには、環境ホルモン作用が指摘され、皮膚を通して体内に取り込むこともわかっているそうです。
既に、海外の大手企業は、このトリクロサンの使用中止を表明しています。
これらを受け、厚労省は、国内で流通している「薬用せっけん」の実態調査に乗り出すとし、菅(すが)官房長官も、「日本においても同様の成分を含む商品の確認を早急に実施し、とるべき措置について検討を行っていく」と述べています。
区内の複数の学校の水飲み場で、これに該当する「薬用せっけん」を見かけたことがあります。
成長期の子どものことを第一に考えるなら、国の判断を待つのではなく、すでに海外で使用禁止となっているものを、子どもの日常生活の大部分を過ごす教育現場では使わないなど、子どもへの配慮が第一であるべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、「アレルギー疾患対策基本法」に鑑みても、アトピーなどアレルギーのあるお子さんに対しては、さらに配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。
子どもを大切にする板橋区として、教育現場の環境も、チルドレンファーストでお願いしたいと思います。
以上で質問を終わります。