2、羽田空港機能強化に伴う新ルートについて
(1)板橋区の認識について
7月28日、国交省が行った「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」での特別区長会会長の発言など、新聞記事などで様々な情報があり、混乱を来たしているように感じます。
改めて、羽田空港機能強化の新ルートに関しての取組みについて、区としての認識を伺います。
6月に 国交省が行った区民への説明会への参加は、159人でした。
55万人区民からみれば、ほんのひと握りです。
また、板橋区議会に出されている、この新ルートに関する陳情の署名活動は、8月に入ってから行われたと聞いていますが、2、3週間という短期間で、多くの方が賛同し、9月15日現在、1625筆の署名が提出されているとのことです。
説明会に参加した10倍以上の方が、短期間のうちに関心を持ち、署名をしているということを、重く受け止めます。
一方、この新ルートに関して、未だに知らない区民も多く、まだまだ情報が周知されていないことを痛感します。
これに対して、区は周知するために、どのような努力をしているのでしょうか。
お答えください。
(3)落下物と危険性
成田空港における落下物については、海の上で車輪を出すなど対策を講じているにもかかわらず、昨年も、わかっているだけで4件ありました。
落下物の危険性が指摘され、国交省も努力しているにもかかわらず、「0」にはなっていないのです。
飛行機のルートは1本の線ではなく、幅があります。
例えば、国交省の資料を見ると、ときわ台駅の上にルートが引いてあります。
ときわ台駅周辺には、常盤台小学校をはじめ、上板橋第一中学校、幼稚園が2つ、そして複数の保育施設、中央図書館など、多くの人が集まったり、一人では逃げられない小さな子どもたちが集まる施設が、たくさんあります。
区は、ルートの下にあたる可能性が高いと思われるところに、どのような施設があるのかを把握する必要があると思いますが、そのような取り組みはしているのでしょうか。
(4)具体的な安全対策の今後の取組について
2009年1月、ニューヨークのラガーディア空港を飛び立った飛行機が、高度約3000フィートで、鳥の群れにぶつかり、両方のエンジンがバードストライクで故障し、どこの空港にも着陸が間に合わず、ニューヨークのハドソン川に不時着水したという航空事故がありました。
乗員・乗客全員が無事に生還したことから、このことは「ハドソン川の奇蹟」と呼ばれ、近くその事故を題材とした映画も上映されるようです。
ニューヨークは大都会です。
しかし、東京と大きく違うのは、避けられる場所、ハドソン川という大きな川があったことです。
東京にはハドソン川のような大きな川はありません。
また成田空港や他の地方空港のような、田畑やゴルフ場も、近くにはありません。
昨年7月には調布飛行場を飛び立った民間機が住宅街に墜落し、犠牲者が出ました。
また、今年5月には、羽田空港で大韓航空機のエンジンから出火し、あと10秒遅かったら住宅街の上だったと指摘されています。
国交省は、これまでのヒヤリングで、航空機の墜落事故の可能性を認めながらも、航空機の安全性について言及するものの、飛行ルート下で生活する住民や自治体等との話し合いは行っていません。
氷塊や飛行機の部品などの落下物、墜落事故などの対策について、今示されている取り組みよりも、より具体的な「今後の」取り組みを明示するよう、国に求めて欲しいと思いますが、いかがでしょうか。
(5)新宿区や目黒区は、この新ルートに関して、国に対して意見・要望を出し、それをそれぞれの区のHPに公開しています。
板橋区からも国に対して働きかけをしているようですが、それが見えてきません。
板橋区から国に対してどのような意見・要望を出しているのか、その内容を公開して欲しいと思いますが、いかがでしょうか。