陳情第106号「中央図書館基本構想についての区民説明会への坂本区長の出席を求める陳情」に賛成し、委員会決定「不採択」に反対する立場から、市民クラブが討論を行います。
この陳情の要旨は、文教・児童委員会の中で、中央図書館長が一番最初に説明したとおり、
「平和公園への移転に伴う中央図書館基本構想についての区民説明会に、坂本健区長の出席を求める」というものです。
陳情の中でも、要旨はただ一言
「中央図書館基本構想についての区民説明会に坂本区長の出席を求めます」とだけ書いてあります。
陳情本文内の陳情事項にも、
「平和公園への移転を伴う中央図書館基本構想についての区民説明会に坂本健区長の出席を求めます」
とのみ書いてあります。
ですから、今回この陳情で判断するのは、この区長の出席の部分のみであり、ほかの事については陳情の本筋ではないことを、まず申し上げます。
中央図書館基本構想に関しての区民説明会には、私もずっと参加し、参加している方たちと、板橋区の職員とのやり取りをずっと拝見してきました。
その中で、とても印象的だったのは、参加者が区の職員の説明に対して、
「この計画は、教育委員会や区の職員たちが勝手に決めたこと、区長は知らないのだろう」という主旨の発言でした。
「区長はそんなこと決めるわけ無い」という、
区長への絶対的な信頼を口にする方が、たいへん多いように思いました。
そのような状態の中で、図書館長はじめ、部課長たちが説明をするという状態が、長く続いていたと記憶しています。
この計画は、ほんとうに職員が勝手に決めて、スタートしたものでしょうか? 責任は職員にあるのでしょうか?
そうではないはずです。心ならずも、責任を職員に押し付けた形のままの状態にしてしまうのは、この板橋の首長として、いかがなものでしょうか。
平和公園ができるにあたっては、地域住民はじめ、多くの区民による、並々ならぬ活動がありました。
そして、どのような公園にするかを区とも話し合いをもち、地域住民は区と約束をしていると、ずっと思ってきました。だからこそ、区長ご自身からの説明が欲しいのではないでしょうか。
区民の気持ちに寄り添う姿勢を目に見える形で示して頂けないでしょうか。
前例のある・なしにかかわらず、臨機応変に対応することも必要ではないでしょうか。
地域のみなさんは、この平和公園を愛し、自分たちで清掃活動をするなど、大切に大切に守ってきました。そして、なくてはならない生活の一部となっていることを忘れてはいけません。
一方、周知にもまだ課題が残っています。
この夏、「平和公園に中央図書館が移転する計画があることを初めて知りました」というお手紙を、平和公園の近隣にお住まいの方から頂きました。
それだけ、まだ周知がなされていないのです。
もし、区長が中央図書館基本構想についての説明会に出席すれば、それだけで、周知は広がることと思います。
区長は区の1番の広報の担い手でもあるはずです。
新たな中央図書館は、これからの板橋の生涯学習の中心となる場であり、力を入れる事業であるからこそ、区民への周知は欠かせないものであり、また区長が説明することが、それだけ力を入れていることの現れにもなるのではないでしょうか。区長はただひとりだけであり、職員では代わりに成りえません。
ここぞという大事な時こそ、区長自らの口で説明をすることが求められると考えます。
自治体の首長として、常に区民に寄り添う姿勢で区政をとり行って欲しいと希望し、この陳情に賛成し、委員会決定「不採択」に反対致します。